センシングと発電するシート、スポーツやリハビリに

2016/11/11 00:00

三宅 常之

出典: 日経テクノロジーオンライン、2016年8月25日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 衣服にシートを目立たないように縫い付け、体の動きを無線で送る。電池は不要で体の動きによって発電する。そんなソーシャルデバイスを開発しているニュージーランドStretchSense社の創業者にセンサーと応用の可能性を聞いた。

Benjamin O'Brien氏

 StretchSense社は2012年に設立された若い企業だ。開発したセンサーは、既に28カ国の200の顧客が購入し、実用に向けた試作に取り組んでいる。日本市場では、「ZOZOTOWN」を運営する衣服のインターネット通販大手が2016年6月に出資、StretchSense社のセンサー技術を革新的な事業に生かしていくという。

 同社の創業者でCEOのBenjamin O’Brien氏は、センサーの幅広い応用の可能性に期待している。「体の動きを把握した上でのスポーツのトレーニングやリモートコーチング、リハビリなどがある。VR(仮想現実感)分野では人の動きに反応するアバターを使った会議や手術なども考えられる」(同氏)。

開発したセンサー

80%伸びて誤差は1%未満

 開発したセンサーは、ゴムシートで、導電体と絶縁体でキャパシターを形成している。ゴムシートの形状変化を静電容量変化として検知し、動きを推定する。伸縮長や圧力、曲げ、せん断力などを検知できる。伸縮長は0.5%の誤差で把握できるという。2つに折りたたんだ状態で使うと精度が上がり、誤差は半分の0.25%になるとする。センサーは、衣類や手袋、靴などの動きのある随所に組み込んで使う。

靴に組み込んでシートを発電に使う場合のイメージ

 発電体にも同様のゴムシートを使う。材料内部で帯電させたエレクトレットを外部からの力で移動させて電気エネルギーを生み出す。開発品は、例えば靴に入れて1Hz前後の周波数で踏んで力を入れると1mWほどの発電が可能とする。

 材料にゴムを使うことで柔らかく、80%伸ばすことができる。また、人の体に触れることもあるため耐塩性についても検証済みとする。