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【格闘技】

畑中建人、夢は国内初親子世界王者 11.27プロデビュー

2016年11月23日 紙面から

畑中清詞会長(右)が構えるミットをめがけ、鋭いパンチを放つ畑中建人=名古屋市北区の畑中ボクシングジムで(長森謙介撮影)

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 元WBCスーパーバンタム級王者で、畑中ジムの畑中清詞会長(49)=本紙評論家=の長男・建人(岐阜・中京高3年)が、27日に愛知県刈谷市のあいおいホールで、スーパーフライ級4回戦のプロデビュー戦に臨む。32年前に父親がプロデビューした日を門出に、国内史上初の親子世界王者へ向けた第一歩を踏み出す。

 プロデビュー戦の実感が少しずつ湧いてきた。「アマの試合とは全く違う緊張感。背負うものが全然違う」。頂点を極めた偉大な父に憧れ続けた建人が、いよいよ父と同じ舞台に立つ。

 ボクシングを始めるきっかけとなったのは、中学1年の時に自宅で偶然見つけた一本のビデオだ。メキシコでトレーニングに励む現役時代の父の姿には、普段目にする酒飲みの面影はどこにもなかった。必死の形相で厳しい練習をこなす姿に「すごくかっこよかった」と憧れた。

 胸の内を打ち明けられないまま1年が過ぎた中2の冬。進路調査の用紙に「将来の夢・プロボクサー」と書いて両親に見せ、思いをぶつけた。「過酷な道だからやめておけ」と父からは猛反対されたが譲らなかった。毎朝4時に起きて走り、ジムにも毎日顔を出して汗を流した。自らが決めた覚悟を行動で示し続け、「芯の強さは本物。一番の武器かもしれんな」とついに父を説き伏せた。

 高校時代に国内タイトルを取ることはできなかった。9月1日にジムへ入門。この日を境に父は会長となった。週に6日ジムに通い、3時間程度練習に励む毎日。自分で決める練習メニューには、会長とのミット打ちを必ず組み込んでいる。会長が構えるミットをめがけてパンチを打ち込み、時にはアドバイスをもらえる練習が「一番楽しい」と声を弾ませる。

 32年前の11月27日、父はプロデビュー戦に1RでKO勝ちした。建人も「1Rは様子見して、2RでKOします」と宣言する。掲げる目標はもちろん、国内では前例のない親子二代での世界王者だ。(長森謙介)

 

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