医学部を置く千葉大亥鼻キャンパス=千葉市中央区で2016年11月22日、田ノ上達也撮影
女性に集団で性的暴行をしたとして、千葉大医学部5年の20代の男子学生3人が集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された。患者に寄り添い、命を救う医師の卵が、女性の体も心も傷つけたとされる事件に、学生や教員からは「人間として間違っている」「学生への教育を考え直す必要がある」との声が上がった。
医学部がある千葉市中央区の亥鼻キャンパスでは22日、看護学部3年の女子学生(20)が「ニュースで知ってびっくりした。医学部生とも関わりがあるが、優秀でみんないい人だと思っていたのに……」と驚いた様子。医学部3年の男子学生(22)は「医学部だからではなく、人間として間違っている」と憤った。
教員の男性は、千葉大の学生だった寺内樺風被告(24)が2年近く少女を監禁したなどとして未成年者誘拐や監禁の容疑で逮捕された事件に触れ、「3月に監禁事件が発覚したばかりで、もう驚きもない。レベルの低い大学ではないが、このような事件が起きてしまう。大学は学生への責任ある教育や支援のあり方をもう一度捉え直さないといけない」と語った。
この日午後2時から記者会見した渡辺誠理事と中山俊憲・医学部長は、午前中に調査委員会と処分を検討する懲戒委員会を設置したことを明らかにした。事件は飲食店で開かれた学生らの飲み会で起きたが「報道で初めて知った」「逮捕された学生が特定できていない」などと説明し、調査の具体的方法や期間は明言しなかった。
中山医学部長は「非常に驚きを持って捉えている」などと第三者的な発言にとどめていたが、報道陣から当事者としての受け止めを何度も問われ、「事実であるとすれば非常に残念で、社会的責任を感じている」と述べた。被害者支援や再発防止策については「調査結果を待って対応したい」「真摯(しんし)に対応したい」と繰り返した。【渡辺暢、田ノ上達也、信田真由美】