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 東日本大震災で「コストコ多摩境店」(東京都町田市)の駐車場スロープが崩れ、8人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた1級建築士(69)の無罪が確定した東京高裁判決を受けて、東京地検が再捜査に乗り出すことが分かった。判決は他の関係者の責任に言及しており、1級建築士以外の過失の有無を調べ直す。

 検察審査会の判断などで再捜査することはあるが、無罪判決を受けて再捜査を始めるのは異例のことだ。

 事故は2011年3月11日に発生。震度5弱から5強程度の揺れで駐車場のスロープが崩落し2人が死亡、6人が負傷した。スロープなどの耐震設計に欠陥があったとして、警視庁は4人を書類送検。東京地検立川支部は13年12月、途中から設計を引き継ぎ、構造を変更した1級建築士が振動差が生じやすい構造設計をしたとして起訴。他方で、設計の統括責任者ら3人は嫌疑不十分で不起訴処分とした。東日本大震災による事故では初めての起訴だった。

 だが、公判の途中で起訴内容を変更。統括責任者らが設計内容を正確に把握できるよう、1級建築士が適切に伝える配慮をしなかったことを過失ととらえた。

 一審・東京地裁立川支部は1級建築士を有罪としたが、今年10月の控訴審判決は、逆転無罪とした。「通常は統括責任者らが、変更内容を確認すべき義務がある」と、他の関係者の責任について異例の言及をした。東京地検は変更後の起訴内容をもとに、1級建築士以外の過失責任について調べる。(小林孝也、久保田一道)

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