地雷や不発弾の死傷者 去年は6000人で前年から急増

地雷や不発弾の死傷者 去年は6000人で前年から急増
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地雷や不発弾による去年の死傷者の数は世界で6000人を超え、前の年と比べて75%急増していることが、対人地雷の全面的な禁止を求めているNGOの報告で明らかになりました。
これは対人地雷の全面的な禁止を目指して活動している国際NGOの地雷禁止国際キャンペーンが1999年から毎年報告書としてまとめているもので、22日に本部のあるスイスでことしの報告書を発表しました。

それによりますと、去年1年間に、地雷などによって死亡したり、けがをしたりした人の数は前の年に比べて75%多い6461人、1日平均18人に上り、急激に増加していると指摘しています。また、そのうちの38%が子どもで、急増している理由としては、内戦状態が続くシリアやイエメンで地雷などによる死傷者が増えていることを挙げています。そして、地雷のほとんどは過激派組織IS=イスラミックステートなどのテロ組織や武装勢力によって仕掛けられているということです。

一方、対人地雷の除去活動や被害者への支援に充てる国際社会からの資金は減少を続けていて、このNGOでは今後、被害者への十分な支援が行えなくなる可能性があると警鐘を鳴らしています。

対人地雷をめぐっては、その使用や貯蔵、生産などを全面的に禁止したオタワ条約が1999年に発効しましたが、アメリカやロシア、中国やインド、パキスタンなどの地雷保有大国はいまだに加盟していません。