東日本大震災の被災地では新たな防潮堤の整備が進められているが、多くが未完成だ。今後もマグニチュード(M)7級の余震が起きて津波が押し寄せる可能性がある中、国土交通省は「2020年度の事業完了を目指し、整備を進めたい」としている。
岩手、宮城、福島3県では、計591カ所(今年9月末現在)で防潮堤の整備が計画された。防潮堤は「数十年から百数十年に1回の頻度で発生するレベルの津波」を防げる高さが基準とされ、高さ10メートルを超える防潮堤が必要となる海岸線は、3県で約50キロに及ぶ。
国交省によると、内訳は岩手134カ所、宮城358カ所、福島99カ所。宮城県内の8カ所以外は、整備についての地元合意が得られた。ただ、建設中のものが多く、完成したのは岩手28カ所、宮城67カ所、福島30カ所にとどまる。【曽田拓】