22日の東京株式市場で、映画館運営や映画配給を手がける東京テアトルの株価が商いを伴って急上昇した。朝方から大きく値を上げ、制限値幅の上限(ストップ高水準)となる前日比50円(38%)高の182円で取引を終えた。同社が配給する新作映画「この世界の片隅に」の人気をはやした買いが膨らんだ。
「この世界の片隅に」は、11月12日から上映が始まった。観客動員数は21日までに12万6200人に達した。興行通信社の調べによると、前週末(19~20日)の観客動員数ランキングでは10位。上映館数が68にとどまる小規模上映として異例のヒットになっている。
同社が運営するテアトル新宿(東京・新宿)では連日、立ち見も出る盛況ぶり。多数の映画館から上映の申し出が相次いでいるといい、今後は上映館数が増える見込みだ。「観客動員数は当初目標の2倍にはなりそうだ」(同社)という。
買いの中心は個人投資家などの短期の値幅取りとみられる。業績の大きな上振れにつながるヒットになるかどうかが株価上昇の持続力を左右しそうだ。