【モスクワ杉尾直哉】インタファクス通信は22日、ロシア軍が北方領土の国後島と択捉島に沿岸防衛のための最新鋭ミサイルシステムを導入したと報じた。露太平洋艦隊の機関紙の情報を引用して伝えた。ショイグ国防相は今年3月、千島列島にこうしたミサイルを導入する計画を表明したが、北方領土への配備が明らかになったのは初めて。
日露間では12月のプーチン大統領訪日へ向けた平和条約交渉が活発化。北方領土を自国領と位置づけるロシアには、国後・択捉両島の戦略的重要性を改めて強調する狙いがありそうだ。
報道によると、択捉島には短距離ミサイルシステム「バスチオン」(射程350キロ)、国後島には「バル」(同120~260キロ)が配備された。バスチオンの部隊は現在、発射演習の準備を進めているという。ショイグ国防相は今月15日、シリアのロシア軍駐留基地を守るため、バスチオンを配備したとプーチン大統領に報告していた。