【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を捜査している検察の特別捜査本部は22日、朴大統領が崔被告らの名前で医師から注射剤を処方されていた問題について捜査を始めたと明らかにした。
この医師は、元大統領諮問医で2014年2月までチャウム医院(ソウル・江南)に勤めていたキム・サンマン医師。キム氏は朴大統領の就任前後、崔被告とその姉の名前で朴大統領の注射剤を処方したことが判明し、波紋を呼んだ。
保健福祉部はカルテを不正に作成し、患者を診察せずに処方したとして、医療法違反の容疑で先ごろキム氏を検察に告発した。
保健福祉部の調査によると、崔被告姉妹のカルテには「朴代表」「VIP」、青瓦台(大統領府)を意味するとみられる「青」といった単語が11年から14年までで計29回記載されていた。朴大統領就任後の13年9月には、青瓦台の医療関係者が採取した朴大統領の血液を崔被告の名前で検査したことも判明した。
保健福祉部が捜査を依頼したのは、崔被告のチャウム医院のカルテ507件、崔被告の姉のカルテ158件、注射剤の処方412件など。
キム氏は13年8月に朴大統領の諮問医に委嘱された。チャウム医院を退職した翌月の14年3月からは、緑十字iMEDというクリニックの院長を務めた。波紋の広がりを受け、すでに辞意を示したとされる。
一方、健康保険審査評価院の資料によると、青瓦台は小じわの改善や疲労解消、アンチエイジングなどに効果があるとされる注射剤を製薬会社の緑十字からここ2年の間に300個購入していた。購入者は「大統領室」または「大統領警護室」だった。
購入時期は、キム氏が緑十字iMEDの院長として在職した時期と重なる。これら注射剤が誰に、どの程度処方されたかはまだ分かっていないが、「量が多すぎる」との批判が医療界から起きている。