大野晴香
2016年11月22日18時43分
中国本土で最も利用者が多いとされるメッセンジャーサービス「テンセントQQ」を使い、日本にいる中国人技能実習生らに呼びかけて銀行口座や住民票を不正入手し、不正送金などの犯罪ツールに使う――。そんなマネーロンダリング(資金洗浄)組織の存在が、愛知県警の捜査で明らかになった。
組織が自らつけた、QQにおけるグループ名は「日本帝国洗黒群」(日本帝国マネロングループ)。彼らが関与したとみられる不正送金の被害額は、昨年7月~今年4月で計約2億1千万円にのぼるという。
QQにはSNS機能もあり、「LINE」のようにグループを作ることができる。捜査関係者によると、マネロングループ内では日本にいる中国人実習生らに向けて、銀行口座や携帯電話の契約に必要な身分証や住民票の買い取りを持ちかけるメッセージがあった。
実習生らがグループに売却した事例も確認された。県警は昨年7月~今年10月、口座の不正譲渡やインターネットの不正契約などの疑いで、このグループなどに参加していた実習生を含む中国人男女12人を逮捕。2人を書類送検した。QQ内で広告を出し、1口座あたり5万~20万円ほどで買い取っていたとされる。
県警は、これらの口座が不正送金の振込先や携帯電話の不正契約に使われたとみている。指示役とみられる中国人の男の逮捕状をとったが、すでに帰国したとみられるという。
サイバー犯罪対策課によると、…
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朝日新聞社会部