企業のデジタル変革
最先端レポート
先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。
なぜなら、性差をテーマにしてもあまり意味がないと思ったからです。男女の入れ替えは、昔の映画作品から連綿と続くテーマの一つです。例えば、大林宣彦監督の映画『転校生』があります。作品では、男の子が男の子らしくなくなってしまい、女の子が女の子らしくなくなってしまう、そんなおかしみを描いています。
もちろん、社会の同調圧力なり、社会から男女に期待される役割というものは、今もなお厳然と残っています。だからといって、2016年に男女の性差や社会的に期待される役割を果たせない面白さを描いても仕方がないと感じていました。
むしろ、女の子っぽい男の子の何が悪いのか。男の子っぽい女の子の方が魅力的ではないか。今はそんな感覚が強いのではないでしょうか。そのため、今回の作品では、男女が入れ替わることで、お互いが魅力的になり、入れ替わる前よりもちょっとモテたりするシーンも入っています。
──映像について伺います。新海監督作品は美しい映像作品として高い評価を得ています。今回の作品では、星がまたたいていたり、ビルの航空障害灯が点滅していたり、タバコの煙がたっていたりと背景にも動きがあります。黒澤明監督の実写映画では、人の動いていないシーンも、風や雨、炎や光などで映像に動きを与えているという話もありますが、何か意識していたのでしょうか。
黒澤映画を意識したわけではありませんが、アニメーションは、シンプルに作るととても貧弱な映像になってしまいます。良くも悪くもと言いますか、日本の観客は日本のアニメーションに対して優しい、そういうものだと受け入れています。ただ、国内外の動画配信作品がこれだけ世の中に出回り、リッチな映像があふれている中において、私は日本のアニメーションの貧弱さのようなものが気になっていました。
そのため、スタッフと「なるべく手をかけて、リッチな画面にしていきたいね」という話を常にしてきました。多くの制作費を投じて作るハリウッド映画やアメリカのドラマに比べると、日本のアニメーション制作には限られている部分がある。それでも「同じ1800円を払って見てもらう映画なのだ」と。ハリウッド映画にはないものをどう用意して持ち帰ってもらえるかを常に考え続けてきました。
とはいえ、私たちも映像制作の期間が1年間しかありませんでした。限られた期間で、限られたスタッフでできることは限られている。だからといって、映像表現のリッチさを追求しないと、日本のアニメーションは貧弱なままで、そのまま時が止まってしまうのではないか。
そこで、多少なりともプラスの動きの要素を入れたくて、例えば、星のまたたきや水のきらめきなど、特に自然表現における光の変化を意識して取り入れました。これには、アニメーターの労力を使わずとも、デジタル関連部署の力で表現できるという面もありました。
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