前編では、MC内郷丸とラップとの出会い、また「ラップの魅力」「MCバトルの魅力」について詳しく聞くことができた。
後編では、その独特なキャラクターで人気を得るMC内郷丸自身の考えやビジョンに、より接近していきたい。
「アイドルがラップしたっていいんだ!」
——前編では、ご自身のMCとしてのスタンスに加えて、MCバトルの勝敗を決する要素等について解説を頂きました。そんなMC内郷丸さんから見て、印象に残っているバトルや、好きなバトルはありますか?
MC内郷丸「そうですね。昨年暮れの『戦極MCBATTLE 第13章 全国統一編』における、K-razy vs MIRIの一戦でしょうか。そもそも、あの大会は全体を通してスキルの戦いというより、ガチの殴り合いをするような戦いが多くて熱かったです。」
——MIRIってライムベリーの??
MC内郷丸「はい。アイドルラップユニットであるライムベリーのメンバーです。まず、『戦極MCBATTLE』っていうのは業界でもかなり格の高い大会で。そこにアイドルが出てくるというだけで僕にとっては大ニュースで・・・。」
——MC内郷丸さんはアイドルも好きなんですよね。
MC内郷丸「ここで語るのも恥ずかしいんですが・・・アイドルグループのライブや各種イベントには今も行っていて。僕のやっているオンラインサロンMC内郷丸の『ほんと何もできません』では、『今日のワンバース』といったラップ系コンテンツもあるんですが、超長文のアイドルイベントレポートの方が好評だったりします(笑)」
——なるほど。アイドルシーンとHIP HOPシーン両方を追われているMC内郷丸さんにとって、K-razy vs MIRIの一戦はどう映ったのでしょう?
MC内郷丸「MIRIという子は、ライムベリーにおいては相方がかなりアイドル然とした子であることもあってか、それとは対称的に割とストリート風の服装でカッコ良く振る舞うことが多いんです。そんな子が、まず戦極MCBATTLEの場に赤チェックのプリーツスカートで現れたことが驚きです。」
——あえて逆をついたということですか?
MC内郷丸「はい。ゴリゴリのストリートスタイルで来るかと思いきや、あえて『アイドル』として振る舞うことを選んだ。HIP HOPには『レペゼン◯◯(◯◯には地域名等が入る)』などと言って、地元を背負って戦いに挑むカルチャーがありますが、あれはまさに『レペゼン・アイドル』と言って良い。相手に合わせるのではなくて、自分の歩んできた道に誇りを持つ姿勢は、まさにHIP HOPです。」
——MC内郷丸さんが前に語ってくれた内容(本記事の前編)に通じるものがありますね。「その人なりの『リアル』で勝負する」という。
MC内郷丸「そうなんです。実際に内容も良くて、自分がアイドルとしてその場に立っていることを逆手に取るようなリリックが凄く冴えていて。『アイドルがラップしたっていいんだ!』と思いました。まさに、どんな人にもあるそれぞれの『リアル』が強さに転化していくという・・・そんなドラマを見せつけられた感じです。」
——なるほど。ではこの流れで、次は今イチオシのアイドルグループを教えてください!
MC内郷丸「大丈夫ですか? 趣旨変わってきちゃいませんか?(笑) まぁ、それでもいいなら・・・注目してるのは俄然BiSHです。別名・『楽器を持たないパンクバンド』と言われる、ちょっと過激なアイドルグループ。10月のワンマンライブを観てきて、その場でファンクラブにも入会してしまいました。」
※MC内郷丸が自らのサロン内でも「ぜひ見て欲しい」と紹介したBiSHの公式ライブ映像
——どんなところに惹かれたんですか?
MC内郷丸「うーん。なんなんでしょうね。アイドルほど何に惹かれているのか言語化しづらいものって無いかもしれません。でも、逆に言えばそれだけ存在自体に価値があるんだと思います。もちろん『可愛い!』とかは思いますけど、じゃあもっと顔が好みの子が入ってきたら”推し変”するのかと言われたら、そういうものでは無いんですね。ちなみに、存在の強度で勝負するっていう意味ではHIP HOPにも近いものがある気がします。特にMCバトルにおいて、垢抜けない田舎者MCがカリスマ性溢れるイケメンMCを倒す瞬間だったり・・・ということで、アイドルの話は一旦終わりにしませんか? 恥ずかしくなってきました(笑)」
「ストーリーを売ることでエンターテイメントが成立する時代」
——強引に話を戻しましたね。この話をもっと聞きたい人は、「続きはオンラインサロンで!」ということで(笑)
MC内郷丸「ありがとうございます。そうですね。サロンの方ではガンガンぶっちゃけトークをしていきます。あと、これに重ねる形で宣伝しちゃってアレなんですが、実はあるWebメディアで『アイドル楽曲をHIP HOP的切り口からレビューする』というような趣旨の連載を持つことができそうなんです・・・!」
——なんと! おめでとうございます。
MC内郷丸「いえいえ・・・生暖かく見守っていただけたら。ちなみにサロンにはその連載に書ききれなかった話も書いていくつもりです。ラッパーとしても、最近ではサイファー(※ストリートでラップのセッションを行う集会)にも参加するようになって。いろいろな形で積極的に情報を取りに行ったり、仲間とのコミュニケーションも取るようにしたら、ライブ出演の打診を頂くことができた話とか、ビートメイカーの方とオリジナル楽曲を作り上げる過程だったりも、かなりリアルな形でサロンに綴ってます。」
——MC内郷丸の成長過程を一緒に楽しんでいける!
MC内郷丸「そうですね。まさにアイドルに学んだ手法です(笑) アーティストって、これまではCDやライブといった一つの完成品を商品として売るのが普通だったと思うんですが、今はその過程にあるストーリーを見せることでエンターテイメントが成立する時代です。ソーシャルメディアやオンラインサロンを活用することで、僕の持つ『リアル』を楽しんでくれる人がいる。」
——新しい時代のエンターテイナー像を見せていただいた気がします。
MC内郷丸「スターって根っからハイセンスでオーラもあってカッコいい奴だけじゃないんだぞと。特にこの世界では、僕みたいな人でもそういう奴に挑んでいくことができる。大きなステージで光を浴びることと、ストリートで自分らしく在り続けることは、必死に生きてるって意味では等価です。そういう強さを多くの人に伝えていける存在になれたらと思います。」
——そのストーリーがもっと多くの人に伝わることを祈っています!
MC内郷丸「ありがとうございます。とはいえ、これが僕のコンプレックス克服譚で終わっては面白く無いですし。HIP HOPの精神に則り、メイクマネーして高級外車に乗って、雑誌のカヴァー飾って・・・というドリームを目指していきたいと思います!(笑)」
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MC内郷丸とともに新たなストーリーを紡いで行きたい方、MC内郷丸のオリジナル論考を読みたい方はぜひオンラインサロン「MC内郷丸の『ほんと何もできません』」にぜひ参加してみてください!


