ソーシャルレンディングは貸付型クラウドファンディングや投資型クラウドファンディングとも呼ばれ、最近注目を集めている資金運用の1種です。

その特徴は、見返りとして金利のついた現金が返ってくるということであり、他のクラウドファンディングとは似て非なるものです。

ソーシャルレンディングは「投資」ですから、株式や社債のように投資した資金が回収できないリスクが存在します。お金を投資した会社が倒産してしまう貸し倒れがその1例ですね。

しかし、仲介業者を吟味することにより、このリスクを最小限にすることができます。仲介業者にはそれぞれの特徴があり、独自の基準で投資案件を吟味しているからです。そうは言っても、最近は仲介業者も増えてきてどれを選べばいいのか分からない、そう思う人も多いでしょう。

そこで今回は、数ある仲介業者の中からオススメの9社に絞って、期待利回り、最低投資可能額、運用期間などを比較しました。ぜひ仲介業者選びの参考にしてくださいね。

みんなのクレジット

基本情報

期待できる利回り 3%~12%程度
最低投資可能金額 10万円~
運用期間 3か月~1年程度
担保 全案件に有り
会社資本金 8,000万
総貸付金額 965,490,000円

解説

みんなのクレジットは2015年5月に設立された比較的新しい会社です。中小企業から不動産ローンなど様々な形態の融資を受け付けており、特に不動産投資に特化した仲介業者です。その特徴はなんといっても利回りの高さで、業界トップクラスを誇ります。

また、全案件に不動産担保などがついているため、貸し倒れなどのリスクが低いことも大きな特徴です。

運用期間もやや短期寄りのものが多く、ソーシャルレンディングで多額の利益を出したい人にはオススメの会社です。

Lucky Bank

基本情報

期待できる利回り 6%~10%程度
最低投資可能金額 1万円~
運用期間 2か月~36か月
担保 全案件に有り
会社資本金 2億円
総貸付金額 5,767,920,000円

解説

会社設立は2014年5月で、こちらも比較的新しい会社ですね。ラッキーバンクの特徴は利回りの高さで、みんなのクレジットにこそ及びませんが、最大10%程度の高利回りが期待できます。

また、ラッキーバンクも全案件不動産担保を設定しているため、貸し倒れのリスクが小さいことも大きな魅力です。

ソーシャルレンディングには手数料がつきもので、小額ながら何度もかかると馬鹿にできない額になってきます。ラッキーバンクは出金手数料を負担してくれるので、その点もとてもありがたいですね。

スマートエクイティ

期待できる利回り 5%~10%程度
最低投資可能金額 10万円~
運用期間 6か月~
担保 一部案件に有り
会社資本金 2億200万円
総貸付金額 非公開

解説

スマートエクイティも高利回りが期待できる仲介業者で、会社の目標利回りが8%に設定されています。やはり投資する以上、大きな金利や利息を期待したいですから、この高利回りは魅力です。

また、スマートエクイティの大きな特徴は、他社にはない少し変わった投資先が多いことです。例として、サプリ生活ボンドやトランクルーム投資、中には斉藤工さん主演の映画、「種をまく人」の案件もありました。

難しいイメージのある不動産などより、身近に感じられる案件に投資できるのは初心者にとって嬉しいものです。これなら初心者でも気軽に投資することができますね。

OwnersBook

基本情報

期待できる利回り 5%~8%程度
最低投資可能金額 1万円
運用期間 5か月~10か月程度
担保 全案件に有り
会社資本金 5億4955万円
総貸付金額 非公開

解説

OwnersBookは不動産のコンサルティングや運用を行っている会社で、そのため不動産案件がメインです。

OwnersBookの特徴は登録している投資家と互いにSNSで交流を図れることです。案件について相談してもいいでしょうし、初心者なら投資についてアドバイスを貰えるかもしれません。

また、OwnersBookは四半期分配方式を取り入れており、年に4回、分配金が振り込まれます。他の会社は毎月分配が多いので、どちらが自分の投資スタイルに合っているか考えて決定するといいでしょう。

SBIソーシャルレンディング

基本情報

期待できる利回り 1.6%~4.8%程度
最低投資可能金額 1万円~
運用期間 6か月~21か月程度
担保 全案件に有り
会社資本金 1000万円
総貸付金額 非公開

解説

SBIソーシャルレンディングは期待できる利回りはそこまで大きくないものの、親会社がSBI証券なので、安心感が売りの仲介業者になります。

ソーシャルレンディングのリスクは貸し倒れの他にも仲介業者の倒産などがありますが、SBIソーシャルレンディングは非常に大きなグループ会社であるため、そのリスクがほとんどないと言ってもいいでしょう。

また全案件に担保がついているので、できるだけローリスクで投資したい人にはおすすめです。

クラウドクレジット

基本情報

期待できる利回り 5%~9%程度
最低投資可能金額 5万円~
運用期間 3年~4年程度
担保 一部案件に有り
会社資本金 1,046,970,000円
総貸付金額 非公開

解説

クラウドクレジットは海外への投資案件が豊富です。多くの仲介業者は国内の案件のみの取り扱いなので、これはクラウドクレジットの大きな特徴と言えるでしょう。

また、比較的高利回りが期待できますが、海外への投資である以上為替リスクがつきまといます。為替リスクとは円を違う通貨に変換した際に、現在の相場と後の相場が異なることで、利益に影響が出てしまうことです。

とはいえ、為替ヘッジがある案件も扱っているので、為替リスクの影響を避けたい人はそのような案件を選ぶといいでしょう。

為替ヘッジとは現地に現地通貨でやりとりできる子会社を作るなどして為替変動によるリスクを出来るだけ減らしているということで、「為替ヘッジあり」とは為替変動リスクが少ない案件である事を意味しています。

クラウドバンク

基本情報

期待できる利回り 4%~5.6%程度
最低投資可能金額 1万円
運用期間 3ヶ月~3年
担保 一部案件に有り
会社資本金 1億4千万円
総合貸付金額 8,305,604,000円

解説

クラウドバンクは不動産や中小企業など様々な案件を取り扱っています。ただ、その中でも新興国マイクロファイナンスという案件があり、これはクラウドバンクだけが取り扱っている案件になります。

簡単に言ってしまえば、今までのボランティアを投資にした形ですね。じゃあ、あまり金利は期待できないのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。新興国は経済成長が著しいため、国内の金利が高く、我々も投資によってその恩恵を受けることができるのです。

ただ、このような案件には担保がないので、リスクを背負う必要があることは知っておきましょう。

maneo

基本情報

期待できる利回り 4%~8%程度
最低投資可能金額 5万円程度~
運用期間 3か月~3年程度
担保 一部案件に有り
会社資本金 3000万円
総貸付金額 529,130,000円

解説

maneo(マネオ)は日本にソーシャルレンディングを広めた代表的な会社です。その特徴は中小企業への投資案件が豊富で、利回りなどの条件も平均的なところに落ち着いていることです。

最近になって担保付きの案件が増えてきてはいますが、まだ担保がない案件もしばしば見受けられます。貸し倒れのリスクを少しでも減らしたい人は、案件を吟味するようにしましょう。

トラストレンディング

基本情報

期待できる利回り 4%~12%程度
最低投資可能金額 10万円~
運用期間 3か月~24か月
担保 一部案件に有り
会社資本金 1億円
総貸付金額 825,200,000円

解説

トラストレンディングは比較的新しい会社で、2015年末ごろにソーシャルレンディング業界に参入しました。

特徴は高利回り、全案件に担保付きということ。また、扱う案件は債権、不動産がメインです。

これら以外にも、AQUSHやLCレンディングといった仲介業者があり、今もどんどん新規企業が参入しています。今後、ソーシャルレンディング業界はもっと大きくなることが予想されます。

あなたのタイプ別オススメ仲介業者選び

このようにたくさんあるソーシャルレンディングの運営会社ですが、結局どこを選ぶのがいいのでしょうか?それはあなたがソーシャルレンディングに何を求めるかでも変わってきます。

あなたの目的別にオススメのソーシャルレンディングの会社を選んだので、参考にしてください。

多少のリスクはあっても利益重視!

とにかくソーシャルレンディングで稼ぎたい!そんな人にオススメの運営会社はどの会社でしょうか?

1つ目は「みんなのクレジット」です。最高期待利回りが12%という業界トップクラスの金利に加えて、比較的運用期間が短い金融商品が多いので、短期間の資産運用で大きな利益を狙うことができます。

会社名 利回り
みんなのクレジット 3%~12%
Lucky Bank 6%~10%
スマートエクイティ 5%~10%
OwnersBook 5%~8%
SBIソーシャルレンディング 1.6%~4.8%
クラウドクレジット 5%~9%
クラウドバンク 4%~5.6%
maneo 4%~8%
トラストレンディング 4%~12%

他にも「スマートエクイティ」や「トラストレンディング」も高利回りが期待できるため、高収益狙いの人にはオススメの会社です。

ただ、1つ覚えておいて欲しいのは高利回りを狙おうとすると、当然それだけリスクも上がるということです。場合によっては、担保がない案件なども狙うことになるでしょう。

いくら大きな利益を出したいからといって、案件を吟味せずに飛び込んでいくのは無謀です。高利益を出したいからこそ、十分に案件を選んでいくことが大切なのです。

リスクを抑え、着実な資産運用を行いたい

そこまで大きな利益は狙わなくてもいいから、毎年少しずつ資産を増やしたい。そんな人には、「SBIソーシャルレンディング」や「クラウドクレジット」がオススメです。

2社ともソーシャルレンディングの実績が十分にあり、また親会社の資本金が潤沢なため、仲介業者の倒産などのリスクが小さいからです。

案件選びも比較的長期間で、担保付きのものを選ぶようにするといいでしょう。また、手数料を抑えたいのであれば、「Lucky Bank」など出金手数料が無料の仲介会社を選ぶのもオススメです。

株式投資のように配当金以外に特典も欲しい

お金だけじゃなくなにか特典も欲しい、そんな人には「スマートエクイティ」がオススメです。スマートエクイティには少し変わった投資先の案件が多く、その中には配当金以外の特典が配られる案件も存在します。そういった案件を狙ってみるのも面白いでしょう。

変わった投資先で言えば、「クラウドバンク」なども候補に入りますね。代替エネルギーの開発資金の案件など一風変わった案件がありますよ。

ソーシャルレンディングの基本は分散投資

タイプ別にオススメの仲介会社を紹介しましたが、ソーシャルレンディングの基本は分散投資ということを忘れてはいけません。

お気に入りの案件や会社に全力投資をしたくなる気持ちはわかりますが、もしその案件で貸し倒れが起きてしまったらどうしますか?最悪、全資産を失うことになってしまいます。

そういったリスクを回避するためにも分散投資は必要なのです。株式などでは成功している人ほど、こういったリスク管理が長けているものです。

いかにリスクを抑え、大きなリターンを狙うかが投資の成功の鍵だと思ってください。

各ソーシャルレンディング会社の比較表

一覧で各ソーシャルレンディング会社を比較出来るものを作りました。利回り、最低投資金額、運用期間といった投資に関する重要なものをまずまとめました。

会社名 利回り 最低投資可能金額 運用期間
みんなのクレジット 3%~12% 10万円 3か月~1年程度
Lucky Bank 6%~10% 1万円 2か月~36か月
スマートエクイティ 5%~10% 10万円 6か月~
OwnersBook 5%~8% 1万円 5か月~10か月
SBIソーシャルレンディング 1.6%~4.8% 1万円 6か月~21か月
クラウドクレジット 5%~9% 5万円 3年~4年
クラウドバンク 4%~5.6% 1万円 3か月~3年
maneo 4%~8% 5万円 3か月~3年
トラストレンディング 4%~12% 10万円 3か月~24か月

そして投資先、担保があるかどうか、出金時の手数料など細かな部分についてもまとめています。

会社名 主な投資先 担保 出金時手数料
みんなのクレジット 国内不動産ローンファンド 全案件 有料
Lucky Bank 国内不動産事業者への
不動産担保融資
全案件 無料
スマートエクイティ 匿名投資組合
投資案件社債投資案件
一部案件 有料
OwnersBook 自社不動産案件への投資 全案件 有料
SBIソーシャルレンディング 国内事業者、個人への証券
不動産担保融資
全案件 有料
クラウドクレジット 海外への小口債務者支援
消費者ローンファンド
一部案件 有料
クラウドバンク 不動産担保ローン
国内事業者融資
新興国マイクロファイナンス
代替エネルギー
特化ローンファンド
一部案件 無料
maneo 事業者への担保融資
無担保融資
一部案件 有料
トラストレンディング 国内事業者への債権担保
不動産担保案件
一部案件 有料

まとめ

ソーシャルレンディングのリスクを最小限にするには、まず仲介業者選びからです。

資本金が潤沢で運営体力が高いところから選ぶ、担保付きの案件を紹介している会社を選ぶなど、自分で基準を持って納得した会社を選びましょう。

それに金利や案件の種類などを加味して投資することがソーシャルレンディングで失敗しないポイントです。