最近、新しい投資手法としてソーシャルレンディングに注目が集まっていますが、この記事では、その安全性について解説していきたいと思います。
高い利回りは魅力的だけど、本当に安全なのか、どうすればリスクを抑えて投資できるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。そういう方は、ぜひ一度この記事を読んでみて下さい。
目次
ソーシャルレンディングのリスクとリスク回避の方法
ソーシャルレンディングとは何かから、リスクとそのリスクの回避方法などを解説します。
ソーシャルレンディングとは何か
最初に、改めてソーシャルレンディングとは何かを説明しておきましょう。一言でいえばソーシャルレンディングとは融資型クラウドファンディングあるいは貸付型クラウドファンディングです。
インターネットを通じて、不特定多数の人(Crowd)からお金を集める仕組み(Funding)を、クラウドファンディングといいます。従来のクラウドファンディングは対価がモノ・サービスの形をとっていたため、お金を出す側から見ると、純粋な投資行為というよりはその事業者をファンとして応援する要素が強いものでした。
一方、ソーシャルレンディングは、リターンが金銭(つまり利息・分配金)で得ることが出来るのです。今の日本では、お金を銀行に預けていても雀の涙ほどの金利しか付きません。そんな中、案件にもよりますが5~10%程度の高い利回りが期待されるソーシャルレンディングは、大きなメリットがあります。そのため、新しい投資手法として注目を集めているのです。
ソーシャルレンディングのリスク「貸し倒れ」
続いてソーシャルレンディングにまつわるデメリット即ちリスクについてお話しましょう。
もっとも一般的な投資手段である銀行預金を例に出して解説します。
銀行預金は、銀行が破綻してしまった場合は除いて、基本的に元本が保証されています。つまり、銀行がそのお金をどこかの企業などに貸出して、その企業が倒産して貸し倒れになったとしても、預金の元本までが減るということはないのです(その分、非常に低い金利になってはしまいます)。
一方、ソーシャルレンディングは仲介事業者が多数の投資家からお金を集め、お金を必要としている借り手に融資するという仕組みですが、この集めたお金は預金ではなくて、あくまで投資なので、貸し倒れのリスクは投資家自身が負うことになります。それ故、ある程度のリスクを考えた上で、投資をする必要があるのです。
投資家が知ることができる情報と規制
日本では、お金を誰かに貸すことを事業として営む場合は、貸金業者として登録をする必要があるため、どこかの会社に対して投資家(お金を貸す側)が直接お金を貸しているという形式をとってしまうと、投資家は貸金業の登録をする必要が出てきてしまいます。
以下は貸金業法といわれるお金を貸す業務を営む為に定められた法律の抜粋です。
貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。貸金業法第二章第一節第三条
つまり、お金を貸したいなら国、もしくは都道府県知事の許可を受けないと出来ない、という事です。これ登録せずにお金を貸してしまうと当然法律違反となります。
勿論、一般の投資家の方々は、貸金業登録をしているわけではないので、具体的な借り手の会社について知った上で投資をするということは出来ないのです。相手をよく知った上でお金を貸した途端に貸金業に該当してしまうからです。
日本のソーシャルレンディングのサービスでは、仲介事業者が匿名投資組合(ローンファンド)をつくって、投資家からお金を出資してもらい、その組合を通じて貸付先の中小企業等にお金を融通するというモデルをとっています。
そのため、仲介事業者は貸金業者登録をしていますが、投資家自身は貸金業登録不要ということになっているのです。ソーシャルレンディングのビジネスモデル上、投資家は具体的にどういう会社に投資しているのか、どういう事業内容なのかまでを知ることは出来ないというわけです。
お金を貸す先がどんなところかわからないというのはある程度のリスクであると考えられます。このリスクを回避するためには、投資先について十分に審査を行っており、担保などを得ている仲介業者(ソーシャルレンディング事業者)を選ぶ必要があるということですね(こちらに関して詳しくは後述します)。
貸し倒れリスクの大きさとその他の留意点
ソーシャルレンディングを利用してお金お貸したい投資家は案件の詳細を精査した上で投資判断をするというよりは、ある程度、仲介事業者自身を信用して投資をする必要があります。
勿論、仲介業者は貸金業者として国や都道府県に届けて貸金登録番号を取得している業者になるので、一定の信頼性を得ています。彼らは、お金の借り手がどんな事業をしているのか、そのリスクを厳正に審査しているので、貸した資金が返済されないというようなリスク(貸し倒れリスク)は極小化されているといっていいでしょう。
ただし、ソーシャルレンディングにもいろいろな案件があり、担保付きのものもあれば担保なしのものもあります。無担保の投資案件で貸し倒れが起きてしまうと、ソーシャルレンディング事業者がお金を回収できず投資家にも全く返還されない、つまりお金が全く返ってこないということもあり得るということです。
また、仲介事業者が倒産してしまった場合も、投資しているお金は勿論、投資用口座に入れてあるお金も、返ってこない可能性はないとはいえません。
ソーシャルレンディングを行う際は、事業者に「これまでに貸し倒れはないのか」や「お金を出資している間、倒産する可能性がないほど大手か」などを確認する事でリスクを軽減する事が出来ます。
案件や仲介事業者を選ぶときの視点
ソーシャルレンディングのリスクについて少し解説してきましたが、基本的には国・自治体に登録済の信頼性のある事業者の運営するサービスであり、その信頼性からして一定の範囲にリスクは抑えられているといえますが、それでも更にリスクを抑えようと思ったときに、どういう視点が重要になってくるのでしょうか。
投資先の分散
一番大事な視点は、分散投資をするということでしょう。何といっても高いリターンに比べて圧倒的に手軽に始めることが出来るのがソーシャルレンディングの大きなメリットですから、色々な小口の案件に分散して平均投資金額を抑えた投資をしておくことで、リスクを分散させることもしやすいというわけです。
投資用口座に入れる金額の最適化
仲介事業者の倒産リスク(実際に案件に投資しているお金は勿論、投資されていないものの投資用口座に入れてあるお金まで、返ってこなくなるリスク)についてですが、投資用口座に入れておくお金自体を、無闇に多くすることを避けるというのが一つです。つまり、投資する分のお金だけを投資用口座に入金しておき、リスクを極小化するということです。
ただし、これには逆にデメリットも有り、投資のたびに口座にお金を出し入れするので、その分手数料がかかります(ソーシャルレンディング業者は出金手数料を設定している事が多く、お金を出そうとすると数百円程度の手数料が発生します)。このあたりは適宜バランスを取りつつ調整することになります。
先程説明した分散投資を、仲介事業者をまたがって行うというのも、このリスクを回避する手段だと思われますし、半年から10ヶ月など、短い運用期間で終わる投資案件もあるので、そういうものから始めるというのも一つの手でしょう。
短期間での運用が可能な案件が豊富な業者という意味では、みんなのクレジットなどがオススメです。
仲介事業者の信頼性の確認
そもそも、仲介事業者自体の信頼性をしっかり見極めるということも大事です。貸し倒れ件数0件ということを公表しているソーシャルレンディング事業者もいます。こちらも先述のみんなのクレジットなどが貸し倒れ件数0件を売りにしています。
また、資本が大きい証券会社等の企業グループに属する仲介事業者は信頼しやすいですし、設立から時間が経過して事業を安定して運営していると思われる事業者もよいでしょう。例えば、SBIソーシャルレンディング(2008年創業)やmaneo(2007年創業)などは日本では先駆者として業務ノウハウと信頼を蓄積してきている代表的事業者と言えるでしょう。
担保付き案件の選択
また、もう一つの視点は、出来るだけ担保のある案件を選んで投資するという戦略を取ることです。ソーシャルレンディングの匿名投資組合(ファンド)には、不動産を対象にした不動産ローンファンドも含まれます。
この手の案件を扱っている仲介事業者としては、ラッキーバンクなどがあげられます。不動産投資の案件の場合、不動産担保がつけられているとても安全な案件がありますので、これらを選ぶのも、リスクを抑える手段としてはよいでしょう。
超人気案件の回避
これまでの投資の経験が少なめだという方は、ソーシャルレンディングサービス上で案件が公開されて貸し手の募集が始まり、それに対して応募が殺到してあっという間に締切になるようなことになると、本当に投資すべきかどうかを冷静に判断する余裕がなくなってしまうかもしれません。
冷静にじっくり考えられるような案件のみ投資したほうが、最初は安心かもしれませんね。そのような場合は、案件ごとの人気の状況を見て、超人気案件は避けたほうがよいでしょう。
例えば、ラッキーバンクの一部の人気案件は公開後数分で募集締め切りというくらいヒートアップします。ただ逆に言えば大人気案件なので、買えさえすれば利益を大きく出来る可能性もあります。
さいごに
ここまで、ソーシャルレンディングのデメリットたるリスクとその回避方法について解説してきました。
色々と細かくみるとリスクは考えられますが、いずれのリスクも、普通に気をつけて投資していれば避けられるものばかりですので、基本の分散投資と仲介事業者選びをしっかりしつつ、少しずつソーシャルレンディングに挑戦し始めてみてはいかがでしょうか。
今現在オススメのソーシャルレンディング事業者はみんなのクレジットです。参入してからある程度たっているので実績もそこそこあり、かつまだまだ加入者を増やしたい段階なので、投資するだけでキャッシュバックされるというようなキャンペーン等を非常にたくさん行っています。