映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地・幾寅駅が廃線で消滅の危機!健さんの思い出の地がまたしても…
JR北海道が乗客減を理由に18日に発表した「単独維持が困難な路線」のうち、根室線・富良野―新得(しんとく)間(81・7キロ)について21日、同社の島田修社長が南富良野町の池部彰町長に路線を廃止し、バスに転換する意向を伝えた。同区間には2014年に死去した映画俳優・高倉健さん(享年83)の主演作「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった幾寅(いくとら)駅があり、池部町長は廃止に反対し、路線の存続を要望した。
幾寅駅は作品の中で、高倉さんが駅長として勤務する「幌舞(ほろまい)駅」の名前で登場。現在も駅舎には撮影当時の駅名看板が取り付けられ、内部は撮影で使用された高倉さんの制服や、出演者らのサインが飾られている。また、駅前にもロケセットが一部残されており、1999年の公開から17年がたった現在も作品のファンが訪れる。
JR北海道では、同じく高倉さんが主演した「駅 STATION」の舞台となった増毛駅のある留萌線・留萌―増毛間が、12月4日で廃止されることが決定。それに続く“聖地消滅”の危機となっている。
同町は今年8月の台風で川が氾濫し、市街地が浸水。鉄道線路も被害を受け、JR北海道が廃止の協議対象とした区間のうち、東鹿越(ひがししかごえ)―新得が現在も不通。会談は非公開で行われたが、町によると島田社長は「利用が少なく、鉄道としての存続は難しい」と説明したという。
取材に応じた池部町長は「(廃止は)水害に追い打ちをかける」と強調。「JRと沿線市町村だけで話しても、財政状況から廃止という話にしかならない。国や道も交えて、道全体の交通体系を議論する必要がある」と述べた。
JR北海道が公表した単独維持困難な路線は、全路線の約半分にあたる10路線13区間。島田社長は21日、高橋はるみ道知事に事業の見直し方針を説明した。