韓国最大野党「共に民主党」は21日に議員総会を開催し、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の弾劾推進を正式に決めた。これについて同党は「憲法が定める法的手続きを進めることが、国政の空白と国論分裂を最小限に抑えることにつながると判断し、弾劾を決めた」と説明している。同じく野党「国民の党」もこの日、弾劾を党として進めることを決めた。野党第1党と第2党が弾劾の方針を決めたことで「崔順実(チェ・スンシル)政局」は「弾劾政局」へと一気に突き進むことになった。
朴大統領はミル財団とKスポーツ財団の違法な設立および強制的な資金集め、機密文書の流出などを共謀した容疑ですでに被疑者となっている。つまり大統領府は崔容疑者の要請を受ける窓口になっていたとも考えられるわけだ。ところがこの状況でも朴大統領は退陣を拒否し、事実上の弾劾審判を自ら求める形となっていただけに、いわば弾劾は不可避の状況となっていた。
大統領の弾劾について共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は「国力の大きな消耗が予想される」と指摘した。ちなみに同じく弾劾を受けたブラジルのルセフ大統領は昨年12月に手続きに入り、今年10月にやっと終わった。ブラジル最高裁が弾劾無効訴訟を棄却するまで10カ月もの期間を要したのだ。この期間にブラジル経済は不振を極め、ブラジルに対する海外からの評価は否定的なものばかりとなり、その影響は今も続いている。
米国では保護貿易を前面に出すトランプ氏が次期大統領に当選し、北朝鮮の核の脅威は一層高まっている。この状況で韓国がブラジルと同じような道に進むわけにはいかない。それには朴大統領の弾劾手続きは憲法と法律に基づき、できるだけ短期間に進めていかねばならない。