大前提としていい作品だと思う。ヒットして、嬉しい。本当に良かった。ただ、ヒットするとは思わんかった。
この世界の片隅にがヒットするとわからなかった、公開規模を小さくした配給会社は無能とかいう声も聞くけどさ。似たようなアニメを観る自分からすれば、公開規模は妥当だって。ヒットするわけないもん。
これに近い観客層を持ってる作品として百日紅が上げられると思うけど、あれがどれだけコケたと思ってるのさ。あれも評価が高かったけど、全然客が入らなかった。この世界の片隅にを大絶賛してるオタクで、百日紅を観にいった人ってどんだけいるのよ?って感じだし。他にも似たような作品で大コケしたアニメ作品はたくさんある。
こういっちゃなんだけどさ、流行りのアニメが大好きなんて人はあんまりこういうのには手を出さないはずなんだよ。実際に監督の前作であるマイマイ新子だって客は入らなかったしさ。ただ、そんな人もこの作品だけは観にいった(ように見える)。なんでなのよ。
自分の小さい脳みそで考える分には、クラウドファンディングで話題になったことと、能年玲奈(のん)さんが起用されて話題になって観客を呼び込んだことの2点くらいしか思い浮かばない。原作の評価が高いといっても、ここまでのヒットを牽引するほどではないでしょう。
こう書くと、予告の質が高いから客が来るのは当たり前と返ってきそうだけど、ただ、百日紅とかと、この世界の片隅にがそこまで質のレベルの違いがあるように思えないんだよね。もちろんこの世界の片隅にの出来がいいのは大前提だよ。もう一度書いておくけど。
映画の2週目以降の客入りは映画の実力だけど、初週の成績も良かったということは単純に作品が良かった以外の理由があるはずだと思うんだけど、どうなんだろうなぁ。このままだとやっぱり有名で話題になる人(能年玲奈(のん)さん)をキャストに迎え入れれば、話題性を稼げてヒットに繋がるという在り来たりなことが言われそうで嫌なんだよなぁ。確かにそういう面もあるんだろうけど、この世界の片隅にのこの感じはそういうことだけじゃない気がするんだよなぁ。
百日紅とか、ももへの手紙とか、マイマイ新子とか、その辺の作品について客が入らねぇなぁと苦渋を舐めてた一人のオタクとしては、この辺はすごく知りたい。