安倍首相、APECでの外交戦はことごとく不振

TPP発効に向け協調確認も、各国はトランプ新政権の様子見ムード
プーチン氏との露日会談も不振
習近平中国主席も冷ややかな反応

 日本の安倍晋三首相は、19-20日(現地時間)にペルーの首都リマで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で緊迫した外交戦を展開したが、成果を得ることができなかった。朝日新聞などが21日に報じた。

 安倍首相はペルー到着後、会議出席のほか1対1の首脳会談など1日に5-6件の予定をこなした。中でもドナルド・トランプ次期米国大統領が白紙化を公約した環太平洋経済連携協定(TPP)発効に向けた各国との協調確認、ロシアとのクリル列島(日本名・北方領土)返還交渉などが喫緊の課題だった。

 安倍首相はTPPに参加する11か国を集め「このままではTPPが完全に死んでしまう。各国が国内での批准手続きを断固として進めることを期待する」と述べた。各国首脳もこれに応じた。しかし実際の首脳会議の席上では誰も「米国抜きの11か国でのTPP」に言及しなかった。日本経済新聞は「ひとまずトランプ氏の出方を見守ろうというムードが強かった」と報じた。現在、TPPの国内での批准を終えているのはニュージーランドだけで、ベトナムはトランプ氏の当選後、批准手続きを中止した。

 19日に行われた露日首脳会談も不振に終わった。安倍首相は北方領土の返還交渉に向け今年に入って3回もプーチン大統領と会談。来月にはプーチン大統領が11年ぶりに日本を訪問し、安倍首相の故郷(山口)の温泉で会うことになっている。

 しかし、この日の35分間の会談で、プーチン大統領は「領土交渉とは別に、8項目の経済協力事業から始めよう」と提案したと朝日新聞は報じた。北方領土が「ロシアの領土」であるうちに、日本に資金を出すよう催促したわけだ。出方によってはロシアの領有権を認めることになりかねないため、安倍首相はプーチン氏の要求には沈黙したままだったという。会談後、安倍首相は硬い表情で「一歩ずつ前進していきたい」と述べた。

 20日に10分間行われた習近平・中国国家主席との会談でも、習主席は冷ややかな反応だった。安倍首相は来月東京で韓中日首脳会談を開催することに触れ、李克強首相の出席を提案したが、習主席はこれに答えなかったと共同通信が報じた。

東京= 東京=金秀恵(キム・スヘ)特派員
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