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2016年11月22日 08時21分 UPDATE

“暴走高齢者”どう防ぐ 認知症、運動能力低下……交通死亡事故の3割に65歳以上 (1/4)

80歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故が増えており、社会全体での対策が急務となっている。

[産経新聞]
産経新聞

 今年上半期に全国で発生した交通死亡事故のうち、65歳以上の高齢者が第1当事者(過失が重い側)の事故が全体の28%となり、過去10年間で最も高い水準となったことが、警察庁への取材で分かった。10年前の同期と比較すると、全体の死亡事故件数が減る中、80歳以上の増加が目立つ。来年には「認知症ドライバー」への対応を強化する改正道路交通法の施行が控えているが、事故の防止にはより包括的な議論も不可欠だ。2200万人もの団塊の世代が70歳代後半にさしかかる2025年を前に、社会全体での対策が急務となっている。

画像 男女2人をはね、死亡事故を起こした高齢者の運転する車を調べる捜査員=12日午後6時50分、東京都立川市緑町の国立病院機構災害医療センター

3、4件に1件が高齢者

 警察庁のまとめによると、今年1〜6月の自動車とバイクが第1当事者となる死亡事故は1588件で、うち高齢者によるものは454件。全体の28・6%に上り、3、4件に1件は高齢者の事故という計算になる。

 高齢者の事故の割合は増加傾向が続いており、10年前の平成18年上半期は18・2%だったが、27年の上半期は27・0%にまで上昇。さらに今年はこれより1・6ポイント上昇していた。

 事故総数は18年と比べて約6割にまで減少する一方で、高齢者の件数はほぼ横ばい。80歳以上に限定すると、78件から112件に増加した。

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