京都のタクシー値下げ加速も 国、初乗り下限引き下げ
京都や大津など近畿の4地域で営業するタクシーの初乗り運賃の下限額を国が20日から一斉に引き下げたことを受け、京都市で21日、タクシー会社1社と一部の個人タクシーが値下げに踏み切った。今後追随する動きが相次げば、安値競争が激化する可能性がある。(13面に関連記事) タクシーの運賃は国が地域ごとに定めた上下限の範囲内で設定されている。今回の改定対象は京都、大津、大阪、神戸の4市を中心とする各交通圏域。初乗り運賃の下限は京都市が小型車(1・7キロ)で590円から550円、大津市は普通車(1・3キロ)で500円から480円に引き下げられた。国土交通省近畿運輸局によると、タクシーの運賃に上下限が設けられた1997年以降、下限額が下がる改定は初めて。
運賃幅の改定を受け、京都市では21日、31台を保有する京都雅タクシー(右京区)が、小型車の初乗り運賃を590円から550円に値下げした。奥村仁三和社長は「薄利多売になるが、安さを求めるお客さんは多い」と話す。中堅の関西タクシー(山科区、148台)も12月1日から小型車を同額に値下げする。
近畿運輸局によると、京都市では21日までにこの2社に加え、個人タクシー25台が運賃の引き下げを届け出た。大津市はゼロだった。大半の法人タクシーは様子見の構えだが、大手の動向次第では値下げの連鎖も考えられる。
今回の改定は、過当競争防止を目的とした国の運賃設定に反発する格安タクシー会社の訴訟で、国側の敗訴が続いたことがきっかけ。国交省は全国11地域で公定幅運賃の見直しを進めていた。
【 2016年11月21日 22時00分 】