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 興福寺は21日、工芸品1件と仏像5件(うち国宝4件、国重要文化財1件)に液体の痕が見つかったことを会見で発表した。

 文化庁の文化財調査官2人が調査したところ、被害に遭ったのは、国宝館の工芸品、銅造華原磬(かげんけい)▽木造千手観音菩薩(ぼさつ)立像の台座▽乾漆八部衆立像のうち迦楼羅(かるら)像の台座(以上、国宝)▽木造釈迦如来坐像(ざぞう)の台座(国重要文化財)▽金剛力士像頭部。このほか、東金堂の木造四天王立像(国宝)のうち持国天像の台座。華原磬は、中央の小さな銅鑼(どら)のような部分「金鼓(こんく)」などに、金剛力士像頭部は阿形(あぎょう)像と吽形(うんぎょう)像それぞれの首の部分にしみがあった。

 調査した奥健夫・主任文化財調査官は「油のようなもので、甘い香りの香料が添加されていると感じた」と語った。

 興福寺は22日から国宝館と東金堂の拝観を再開する。