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【南海トラフ巨大地震】

津波1メートルでもほぼ死亡 内閣府分析

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 津波高が十メートル、二十メートルという数字が並ぶと、数メートル程度は「大したことない」ように感じてくるが、実際は一メートルの津波に巻き込まれれば、ほぼ死亡する。

 内閣府は東日本大震災の被害実態などから、陸地に浸水した津波の高さに応じた死亡率を分析。浸水七十センチで71・1%、一メートルで100%に達した。台風や大雨の浸水と違い、津波は横から押し寄せるエネルギーが強いため、身動きが取れなくなるためだ。

 津波に詳しい名古屋大大学院工学研究科の川崎浩司准教授は「浸水が膝を超えるあたりで死亡の危険性は大きく高まる」と説明。一メートル以上では、健康な成人が物につかまっても流されてしまう。漂流物にぶつかり死亡する恐れも大きい。膝より低い三十センチでも、高齢者やけが人は流される可能性がある。

 川崎准教授は「子どもは体が小さい分だけ、もっとも低い浸水でも危険。内閣府の推計は妥当な線と思う」と話している。

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