韓国の歴代政権、社会貢献名目で大企業から巨額献金

■国民にもツケ

 政府が企業の社会貢献活動を特定分野に集中するように強制すれば、さまざまな弊害が生じる。企業が投資や雇用に回す資金が減るのは当然だ。経済団体幹部は「政府が実施する事業に資金拠出するのは一種の『保険料』という性格が強く、経営コストの増大要因だ」と話した。

 国民にもツケが回る。税務専門家によると、ミル財団、Kスポーツ財団の場合、企業が774億ウォンを拠出したが、最大で187億ウォンの税還付が受けられる。結局両財団に国民の税金187億ウォンが投じられる格好で、企業の実質負担は587億ウォンとなる。

 専門家は制度的に政治権力が企業を締め付けることを防ぐべきだと指摘する。経済改革連帯によると、ミル財団、Kスポーツ財団に10億ウォン以上を拠出した23社のうち、理事会(取締役会)の議決を経た企業は2社しかなかった。残りは理事会の承認を得ずに拠出に応じた。

 漢城大の金尚祖(キム・サンジョ)教授は「不法または強制的に費用を支出する場合、必ず理事会に報告し、議決を行うような制度を確立すべきだ」と指摘した。政府の圧力をめぐっては、企業が被害者とばかりは言えないとの見方もある。仁荷大の姜秉玖(カン・ビョング)教授は「ミル財団、Kスポーツ財団に資金を拠出し、企業が見返りを狙って政府と交渉したとすれば、共犯と見なすべきで、被害者とは言えない」と指摘した。

孫振碩(ソン・ジンソク)記者
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