「政府から『賛同してくれるとありがたい』という電話があれば、知らないふりをするのは難しい。目をつけられないためには、とにかく『誠意』を示すしかない」(大企業の対外協力担当役員)
「出せというカネを出さないと、税務調査に遭うのが目に見えており、出さないと言い張るわけにはいかない」(経済団体幹部)
ミル財団、Kスポーツ財団に企業が半強制的に774億ウォン(約72億5000万円)を拠出していたことが明るみに出て、歴代政権ごとに企業が寄付や拠出金という名目で献金を行う悪習をなくすべきだとの声が高まっている。献金による統治とも言え、民間の自主性を阻害する上、結局は国民全体にしわ寄せが及ぶからだ。
■社会貢献名目で巨額献金
全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)両元大統領の秘密資金集めが1990年代に司法で裁かれたことを受け、2004年に政治資金法が改正され、露骨な政治献金要求はなくなった。その後は政府が主導する事業に資金拠出を行ったり、企業が自主的に社会貢献事業を行うように促したりする方式へと姿を変えたが、依然として社会貢献を隠れみのにした「強制献金」という批判が絶えない。
朴槿恵(パク・クンヘ)政権の場合、ミル財団、Kスポーツ財団に774億ウォンの拠出を求めたほか、青年希望ファンドに800億ウォン、知能情報技術研究院に210億ウォンなど企業に2164億ウォンを負担させた。政府はまた、創造経済革新センター17カ所のうち15カ所の整備を大企業に求め、地域まで割り当てた。