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 JR西日本がカキの養殖事業に参入する。養殖業のファームスズキ(広島県)と組んで、食中毒の原因であるノロウイルスの影響を受けにくいカキを育てて売り込む。沿線人口の減少を背景に鉄道事業が先細り気味なだけに、事業の多角化を模索する。

 商品名は「オイスターぼんぼん」。海で養殖せず、広島県にある塩田跡の養殖池で深さ約20メートルからくみ出した地下海水を使って育てる。ノロウイルスが付着しにくいうえ、エサとなる植物プランクトンが豊富なため、成長も早いという。

 12月中旬から、オペレーションファクトリー(大阪市)が運営する大阪・梅田と東京・新宿のオイスターバー2店舗で数量限定で試験販売する。1個200円台で客に提供し、3月末までに約2万個を出荷する予定で、販売が順調なら本格的な事業化に乗り出す。JR西の担当者は「このカキは付加価値があり、競争力も高い」と自信をみせる。

 JR西は昨年、同じく地下海水を使って寄生虫がつきにくいサバ「お嬢サバ」の養殖に挑戦しており、魚介類の養殖事業への参入は2例目となる。(岩沢志気)

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