【11月21日 AFP】妊娠中絶を罪とみなすローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(79)は21日、中絶に許しを与える権限を全司祭に付与すると宣言した。この措置は当初、20日まで続いた「特別聖年」期間中だけの一時的なものとして導入されていた。

 法王は20日、「慈しみの特別聖年」閉幕に当たっての書簡で、「私はここに、全司祭に対し、その権限に基づいて人工妊娠中絶の罪を犯した者らを赦免する権能を与える」と記した。

 一方で法王は、「中絶は罪のない命を絶つものである以上、重大な罪だということを、できる限り強い言葉で再度訴えたい」と強調した。

 20日、サン・ピエトロ広場(Saint Peter's Square)にある青銅製のパネルが張られた「聖年の扉」を閉じ、特別聖年に終止符を打った法王は同日、インタビューで中絶を「おぞましい罪」と断じていた。

 しかし翌21日、特別聖年が終わったからといって、慈しみそのものが終わるわけではないとして、罪人とされる人々にも悔い改めるチャンスが与えられてしかるべきだと述べた。

 法王の書簡には、「悔悟する人が神の許しを求める時、神の慈しみが届かず、拭い去れない罪はないと言える、またそう言わなければならない」「したがって、悔悟する者が特別の許しを求めていく上で、あらゆる司祭が、その者にとっての導き、支え、そして慰めになれることを祈る」とつづられている。(c)AFP