• 0
  • 27,980
  • 3,215
キャラクター基本画像
ゲスト(aa0000)
スターコイン購入 マイページ キャラクター切替
お気に入り

本部

【屍国】対面禁止の脱出

東川 善通

形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
7人 / 4~8人
英雄
7人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/11/15 00:25

掲示板

オープニング

●売り言葉に買い言葉
 曇天の下、若者の集団がぶつかり合っていた。スカジャンの背に紅の獅子を背負った集団に黒ジャージで背に青い不死鳥を背負った集団。
「じゃあ、度胸試しといこうじゃねぇか」
「いいぜ。ビビってしょん便垂らすんじゃねぇぞ」
「はっ、テメェには言われたくねぇなぁ」
 中心で言い合っていたのはそれぞれの集団のリーダー。赤髪に白メッシュが入ったでスカジャンを纏うがたいがいい男は権堂龍士(ごんどうりゅうじ)。金髪に青メッシュを入れた黒ジャージのチャラい男は宇鷹康(うたかしず)。
 この二人、目があった瞬間、これである。今日も今日とていつもと変わらなかった。ただ一点、心霊スポットを舞台としたこと以外。

「ルールは簡単だ。このホテルの中にあるって言う霊が書いたっていう落書きを見つけるだけだ。なんでも、カメラを通してじゃねぇと見えねぇらしい」
「なかったら?」
「なけりゃ、引き分けだな。ねぇんだから」
「まぁ、ありゃいい話ってことか。ま、どうせ、俺らアズラルアンカーが先に見つけるだろうがな」
「バカ言うんじゃねぇ。紅獅子が見つけるに決まってるだろうが」
 エポック都志。最初はハイランドホテルとしてオープンしたが、突然閉鎖。その後、エポック都志と改め、開業するもすぐさま閉鎖されたホテル。噂が噂を呼び、いつしか全国でも有名な心霊スポットとなっていた。曇天の雲が怪しく色づく黄昏時、そこにアズラルアンカーと紅獅子の2グループが度胸試しに訪れていた。
 彼らのように訪れた人間は多いのだろう、その場は荒らされ、色々なものが散乱していた。しかし、不思議なことにそれだけ荒らされているのに片付けてしまえば、普通にホテルとして使用できてしまう綺麗さを保っている。廃墟ともなれば、下品な落書きなんかされていてもおかしくないというのにそれが見当たらない。ある落書きと言えば、小さく目立たないものばかりだ。ただ、そんなホテル内部とは違い、外に放置されている車は時代を感じさせる如く、ボロボロに朽ち果てた末、緑に覆われ、不気味な存在感をアピールする。
 そんな廃墟の異様な雰囲気にびくつきながら、男たちの度胸試しが始まった。

●襲い掛かる恐怖
 何も起こることなく、彼らはホテル内部を一巡した。屋上まで調べたが、どちらも見つけられない。ただ、引き分けは面白くないということもあり、再び1階から隈なく調べることとなった。
「きゃぁあああああ!!!!」
 甲高い悲鳴が上がる。それに紅獅子はニヤニヤと笑みを浮かべる。
「おいおい、向こうは女でも連れてきてたか?」
 ゲラゲラと笑う彼らに対し、奥からはがたがたと物音がしたかと思うと、次に逃げるように階段を駆け上がる音が響く。その慌てように龍士は笑いを引っ込め、眉を顰める。
「……龍士さんどうしたんすか?」
「いや、なんか、やたら冷えねぇか?」
「まぁ、もう冬っすからねぇ」
 殆どの窓が板で塞がれているとはいえ、暖房器具の働いていない廃墟だ。冷えるのは当然だろというが、龍士の感じた寒気はそれではない。だから、それを否定しようと口を開いた瞬間、仲間から叫び声が上がった。
「なんだ!」
「龍士さん、あ、あ、アレ!!」
「――なんだよ、ありゃ」
 腰を抜かした仲間に龍士が駆け寄り、彼が指さす方を見て、目を見開く。そこにはとても生きた人間に見えない青白い肌をした人間たちがゆらゆらと体を揺らしながら、こちらに向かってきていた。
「……突破、は無理だな。仕方ねぇ」
 龍士は冷静にどうするか考える。そして、その結果、近くにあったカウンターを仲間と共に動かし、入り口を封鎖する。また、乗り越えてこられないようにと近くにあった金庫なども使い、完全に封鎖した。
「龍士さん、これからどうするんすか」
「一先ずは上に上がるぞ」
「は、はい」
 一通り見たとは言っても、窓が開いているだとかまでは確認していない。だからこそ、一先ず、上ってこれないことを想定し、上の階へと移動する。
「このまま、アイツらに襲われて俺ら死ぬんすね」
 そういって、めそめそし始める仲間に龍士は大きな溜息を吐く。そして、抑える力とはならないだろうが、少しでも仲間たちの心を弱らせないようにと思い、龍士はお守りとして持っている数珠を恐怖で震える手で取り出し、幼いころから家で聞いていた念仏を唱え始めた。

 一方で、紅獅子よりも先にゾンビの存在に気づき、上の階へと逃げていたアズラルアンカーは頼るものもなく、頭を抱えていた。
「どうすんの? リーダー、気絶してっし」
「……待つしかないだろ」
「待つって何を? 周りにゃ家もねぇ、山の上だってノに気づくやついんのかよ」
 康を背負った副リーダー蒼馬(そうま)に他の仲間が食って掛かる。その後ろでは恐怖からか小さく家族の名前を唱えているものもいる。
「闇雲に逃げ出すのだって同じだろ。だったらーー」
「蒼馬、話しぶち切るけど、H.O.P.Eに連絡しねぇか? あそこだったら、警察と若干違ぇし、こういうことに慣れてんじゃねぇか?」
 その提案に蒼馬は頷き、連絡を頼む。「わかった」と頷いた青年も平静を装っているが恐怖からか手が震え、ダイアルが上手くできない。しかし、時間をかけ発信。
 同時刻、念仏を唱えてくれている龍士の傍で服リーダーがアズラルアンカー同様にH.O.P.Eへと救援の連絡を入れていた。
 そして、二通の電話がH.O.P.Eへ届き、君たちエージェントは心霊スポットとして有名なエポック都志の屋上へと降り立った。

解説

2チームが対面しないように脱出せよ。
【】はPL情報。

●エポック都志
 高知のとある名所が一望できる小高い丘の上にある6階建ての廃ホテル。近くには三十八番札所である金剛福寺がある。基本的に窓には板が打ち付けられている。また、肝試しなどで荒らされてはいるため、色々なものが散乱している。1~5階までは螺旋階段でつながっており、5階~屋上までは別階段となる。

●やんちゃな人達
・紅獅子(べにしし)×12
 権堂龍士率いるがたいのいい男衆。龍士は数珠を取り出し、念仏を唱え続けている。【なお、龍士は能力者。英雄が幻想蝶である数珠にいるが詳細不明。本人は自身が能力者であることすら知らない。また、覚醒時など一部記憶が抜け落ちている。ただ、場合により、共鳴できる】

・アズラルアンカー×13
 宇鷹康率いる細マッチョな男衆。尚、康は気絶につき副リーダーである蒼馬に背負われている。

・共通事項
 全員二十歳未満の若者。平気な顔だが、大のホラー嫌い。怪我は逃げる際に負ったもので、他の怪我はなし。【敵対チームと顔を合わせた瞬間、パニック状態に陥り、バラバラに逃げ出す。】

●状況(PL情報)
 エージェント達が屋上に着地後、嵐が激しくなり、航空機による脱出は不可。また外に出た際、雨による視界不良と泥濘によって、移動力、イニシアチブが-2減。
 裏口と正面入り口は封鎖中。壊すことは可。紅獅子は4階、アズラルアンカーは5階にいる。
 ただし、外(半径60m)にはゾンビ型従魔(数など詳細不明)がうようよとさまよっており、時折、中に入ってこようとしている。尚、動物系ゾンビの姿は今のところ確認されていない。ゾンビはとっても弱いため、エージェントたちがダメージを喰らうことはほぼない。
 食料などは持ち込んでいないため、時間経過により、2チームの体力、気力が減る。

プレイング

木霊・C・リュカaa0068
人間|29才|男性|攻撃
「もー、肝試しなんか来ちゃ駄目だよ!ホラー映画では常識でしょ!
『見つかりましたか?落書き

●目的
全救助者の無事脱出

●その他
絡みアドリブ歓迎
呼び方は
リュカ:リンドウ、年上はさん付け、他はちゃん付け
凛道:リュカ→マスター、他全員さん付け

●行動
アルちゃん達と対紅獅子護衛救助で行動
人数も多いため、別々の集団での脱出を決めた後は
アズ組を先に下に降ろす為、5Fの階段から遠目の部屋で紅獅子達に持ち物を振る舞いつつ待機をお願いする
また、救助者が降りる前に一度一階まで敵の侵入が無いか
入口まで避難路の確認も兼ね先行して身に行く

▼準備
ホテル内地図がどこかにあればスマホで撮り画像共有
通信機:外組、対アズ組と常に交信し現在状況を確認し合うこと

状況確認時待機してもらう際
救助者達には以下で気を落ち着かせてもらう
水筒:お茶でもスープでも
飯盒:暖かい飲み物の方が良いって子の為に
トリート:お茶請けだよ!

長めの紐:外への脱出の際、お互いがはぐれない様に握ってもらう命綱の代わり

▼対救助者
安心させる際
外の敵は幽霊では無く、従魔、「リンカーなら倒せる」物である事
リンカー、及びリーダーの指示に従えば「必ず」助かるため、「落ち着く」ことを自分に言い聞かせて欲しいことを伝える
「男の意地の見せどころ!
可愛い子(アルちゃん達)の前でかっこわるい所見せるんじゃないぞっ

建物から出る際
隊列は基本2人1組で並ぶ様に、怖かったらお互い手繋いでもいいんだよ?(
これからどの位の距離を逃げれば助かるか
叫ぶ、命綱、隊列から離れることは敵を呼ぶ為断固として避けてほしい事
を伝える
『押すな、離すな、死ぬな、のおはしです
「ん、んーん…(

▼戦闘
集団を先行する形で行動:足場が不安定な場所等は警戒呼びかけ
自身スキル範囲に味方が入らない+声と姿がわかる距離を保つ
敵の数が多い場合は護衛リンカーが一人はいる状態で隊列を離れ
懐中電灯等使用し敵を誘導し隊列が進む道を作る
紫 征四郎aa0076
人間|8才|女性|攻撃
『楽しそうな試みであるな! して、落書きは見つかったのだろうか』(楽しそうに
「全然楽しくないのです……! 見つからない方がいいに決まってるのですよ」

◆準備
通信機
ライヴスゴーグルをしっかりつけて雨に備える

◆行動
『ホラーは嫌いではないが、我輩ゾンビはあまり好きになれないである……』
到着後すぐに鷹の目を飛ばし上空から周辺把握
ゾンビの数やどの程度分布しているか
可能であれば建物の損傷から力量も把握
完了したらターン終了まで建物内を索敵させ敵配置を知り
今回使用するルートの再確認を行う
情報は全て仲間と共有

リュカ組、桜子組と共に
屋上から外へ飛び降りゾンビを攻撃
敵が密集している場所へフリーガーファウストで攻撃
スカーレットレインを広げ阻んだり視覚を一瞬奪い
隙を作って味方攻撃へ繋げる
攻撃はよく見て回避

目的は
・多人数の救助対象を運搬できるルートの確保
・二組を時間を分けて速やかに避難させられるように

「私達が相手です、かかってきなさい!」
ゾンビの数が少なければ完全駆逐
多ければ攻撃しつつ裏口側と正面入り口から離すよう誘導しルートを開く
建物が損傷し大きな穴があきそうならウレタン噴射機で補修
外から中へ敵を入れないように
補修が間に合わなければ先頭のゾンビを縫止し全体の移動を阻害

「ふええ、なんかもう気持ち悪い……」
『帰ったら風呂に入らねばならんな。ああ、次はあっちだおチビちゃん』
救出組が移動を開始したらルートの維持に尽力
救助対象へゾンビが向かったら女郎蜘蛛で止める

「HOPEのエージェントです。私達がきたから、もう大丈夫なのです!」
救助対象接触時は安心させるよう努める
脱出時出入り口の破壊に手間取るなら手伝う

◆権堂龍士
『なるほどな。つまり君の英雄にも聞こえているのだろうか
出てきても良いのではないか、外の世界はなかなか楽しいぞ』

「もし力のことが不安になったら、いつでもHOPEへきてください。
きっと力になれると思います」
麻生 遊夜aa0452
機械|32才|男性|命中
「幽霊より従魔を警戒して欲しいんだがな…
『…ん、こういう案件ばかりだもの、ね?(クスクス

「おーおー、うじゃうじゃとまぁ
『…ん、急いだ方が、良さそう?(空見上げ
周囲を軽く確認したらさっさと内部に突入
「2通来たって話だから2手に分かれるか
『…ん、ボク達は、こっち?
5階、アズラルアンカーを迎えに静かに急行だ

「よぅ、待たせたな
『…ん、おまたせ
まずは落ち着かせるのが先決か
「ま、飯でも食いながら話をしようか
おせちや弁当、孤児たち作のお菓子に水筒を配り
・なぜここに来たか?
・他に連れは?
・ホテルの階段や部屋の配置
…等々を聞き、紅獅子との対面禁止に関して情報を得たい所

その間にリーヤが救命バッグで手当てに回る
『…ん、安心して、いいよ?(頭なでなで
怖がってるからか母性全開、甲斐甲斐しく世話を焼く

聞き出した情報をすり合わせて状況を整理
「こちら麻生…合流完了、状況を確認しようか
話しが付き、落ち着いたら脱出に動く
「何時もの事だ、あとは任せときな
『…ん、ゆっくり、ついてきてね(尻尾ふりふり

場面場面でリーヤに主導を渡す
「ま、メンタルケアも大事か
先頭に立って進み、通路の敵は静かに狙撃
狭い場所ではショットガンに換装
こまめに連絡を取り合い、対面しないよう時間をずらし少しずつ降りる
酒又さんらと連携し後方はもちろん、特に側面、部屋からの強襲には警戒を
ずらした時間等で休憩や先に部屋を調べて安全を確保だ
『…ん、ボク達に、任せなさい(胸張り

一階に到達したら紅獅子組との状況により正面か裏口を決定
今まで以上に警戒して進み、封鎖を壊して外の味方と合流
「今からこじ開ける!突っ走れ!
『…ん、捕まっちゃ、ダメよ?(クスクス
パラダイスバードに換装して列から離れ
出来る限りの音と大声で存在感を主張、敵をかき集めつつ一般人付近の敵を優先して潰す
「さぁ、人生最後のライブだ!聴いてから逝きな!
『…ん…ボク達の歌を聴けー!

アドリブ、絡み大歓迎
泉興京 桜子aa0936
人間|7才|女性|攻撃
アドリブ絡み大歓迎★

ベルベット『やんちゃな子達のないーぶな問題みたいねぇとりあえず頑張っちゃうわよ★』
桜子。O(ないーぶとはめんどくさいのであるな(´・ω・`))

●行動
『2チームより先に移動して道中のゾンビちゃんたちをお掃除しておくわ
「うおーわかりやすいのである!ないーぶはよくわからぬであるががんがんいくのであるぞ!
『その時に2チームへついて行くアルちゃん&りゅかちゃん、麻生ちゃんと酒又ちゃんに連絡を取れるようにラインの交換しておくわ
「うむ!そのほうが先ゆくわしたちがとおれるルートをおしえやすいのであるぞ!それにどこまですすんだかしっておらぬとぞんびたおしにむちゅうになるあまりうっかりそうぐうしてしまうやもしれぬ!注意が必要であるぞ!(ぴょんぴょん

『ということで~ゾンビを倒しマース★ガンガン行くわよ!

『ゾンビがなぜ湧きまくっているのかの謎も調べてみようかな~って思うの!
『ゾンビって自然発生するものじゃないわよね?何かしらこの廃屋に仕掛けがしてあって呼び寄せるとか発生させるとかしてると多分思うんだけど…?ゾンビちゃんをある程度ぶっ潰したあとに調べるわ!

先行して道行くゾンビをぶち殺す
道中建物的な危険などないか調べながら進む
例えば 床が抜けていたりとか穴があいていたりとか…ないとは言えないと思うので
2チームについていく人たちと常時連絡を取り合って情報の共有
アルaa1730
機械|13才|女性|命中
●目的
「こんな場所だからこそ」
ボク達が彼らの希望であるべきだね
『皆、無事にかえしましょう』
死ぬにはまだ若いから

●友
リュカさん征四郎ちゃん達は夏祭以来だね
遊夜さん達も久しぶり、元気だった?


ボクは紅獅子の救出
白江の見た目で怖がらせないよう紹介しておくね

スプレッツェルと、コアラリュックの中にお菓子やおにぎりをどっさりつめてくよ
お腹すいてるとまともな判断できないし
なにより胃袋に何か入れれば、少し落ち着けるからねぇ
ここに来た経緯とか必要な情報は今聞き出しておきたいな

「きよえちゃん?どうしたの?(龍士さんに近づく相棒見て」
◆白江
龍士と手元の数珠に気が付く
『数珠…(じっ)きよえも、持っているんです(隣にちょこんと腰を下ろし
あなたの大切なものなんですか?』

「きよえちゃんが持ってる数珠は幻想蝶だよ
ボクらにとって、力を合わせて皆を救うのに必要なものなんだ」
『ふれると安心する、身体がぽかぽかして、勇気がわいてくる。
…願いは必ず、ものに伝わるから。なかまを助けたいあなたの思いも、その数珠さんに
きっと伝わっていると思います(そろりと龍士の数珠に触れようと』

◆アル
空腹じゃなくても、こんな所だから大きな不安はすぐ伝播する
アズラルアンカー全員脱出の連絡が来るまでもつか…
そうだ!
携帯品の音楽CD【希望】、これにボクの曲も入ってて。『影の音』っていうの。歌ってもいい?
「今は絶望(影)が濃く見えてるのかな?
でも影のないところに光は無い。表裏一体
しかもその影が濃ければ濃いほど
希望(光)は眩しく美しく見えるんだ。
あなたにとっての光は、なんですか?」

…リラックスできた?
ね、諦めないで。ボクも諦めない

●戦闘
「…アレ友達?(ゾンビ指さし」『だんじてちがう(ぞわぁ』

龍士が能力に目覚めた場合、戦闘補助
携帯品の盾を貸す
攻撃を防ぐ、敵を弾いて殴れる倒せる
使い方色々!
君は盾で、ボクは剣で皆を守ろう

●戦闘後
能力者がいたと本部に報告
酒又 織歌aa4300
人間|16才|女性|生命
アドリブ・絡み歓迎

◆心情
『人は何故、わざわざ暗くて不気味な場所に行こうとするのか……余には全く理解出来ん』
「皆が皆、そういうわけじゃないと思いますけどね。私もホラーとかいまいちピンと来ないですし」

◆目的
要救助対象の救助

◆準備
ハンディマグ

◆行動
陛下は単独では移動の妨げになるのではじめから共鳴しておきます。
屋上に降りたら、用意したハンディマグを片手に館内へ。
私は連絡があった片方、5Fのアズラルアンカーの元へ向かいましょう。
「こんばんはー、H.O.P.Eです。助けに来ましたよー」
幸い館内にはまだ敵の姿は無いようですし、驚かせないように声を掛けて行きますね。

◆連携
5F組移動前に、4F行く組に連絡します。
「5F要救助者を保護しました。人数が多いと混乱しますし、こちら先に降りますね」

◆応急処置
「そちらの方は大丈夫ですか? 少し診させて頂きますね」
気絶中らしい宇鷹さんの診察を軽くしておきます。
頭を打っていたりしたら注意が必要ですし、念の為です。
単純に気絶しているだけなら、医療系キットにある気付け薬でなんとかなりますね。
これから脱出するのに、動けるはずの人間を荷物にしたままというのは非効率的ですし。
「(アンモニアを嗅がせ)これで大丈夫だと思うのですが……あ、気が付きましたか?(にこっ
気が付いてもパニックになられたら困りますし、安心させられるように微笑みで迎えましょうか。
他にも怪我している方がいれば治療します。
甘い物(パンダクッキー)を持ってきたので、配るのも良いかもしれませんね。
美味しい物を食べれば、落ち着く物ですから(←自分基準

◆パニック時
要救助対象がパニック状態に陥ったら、面倒な事になる前に鎮圧させましょう。
具体的にはセーフティガスを使用します。
うまく無力化出来たら、一人ずつ起こして落ち着かせていけば、しばらくは大丈夫ですよね。

◆ゾンビ
適当に盾でブッ飛ばしましょう!
犬養 菜摘aa4561
人間|22才|女性|命中
「数珠の子」がリンカーであると自覚を促し、説明をし、仲間たちにもしっかり納得させようと思うと時間がかかるだろうし、その過程の間は真剣に話を聞いてくれると推測される…ので、数珠チームのほうを建物内に残し、そうでないほうのチームを先に連れ出す。

菜摘は猟師経験から(ついでに英雄の類人猿も飢えには懲りきっているので)食料品・サバイバル品はいつもこだわっているため食料関連は万全に用意していた。(ただし戦闘はプロではない、あくまで猟師) なので、飢えてそうなグループのサポートに行きたいと思う。

ビルの外のゾンビのところに起きなり落ちて排除作戦するのは自分はなじみがないし、武器も狙撃銃なので建物の中の仕事に立候補希望。どちらのチームに配属されてもいい。人手がいらなくなれば共鳴し一人になる。姿は今回は菜摘のほうの姿をとる。類人猿を見せると余計なパニックになるなら最初から共鳴を、逆に一周回って落ち着くようなら見せびらかしてもよい。

自衛隊のように曲がり角でクリアリングするとかそういうスキルはないので、せいぜい類人猿の野生のカンでゾンビを警戒する程度。建物の窓から、ゾンビを一匹づつ狙撃することなら可能だと思う。お互いのチームが遭遇しないように降りる時間帯を完全にずらすようにする。

リプレイ

●叩きつける雨が断つ退路
 救援の連絡を受け、航空機に乗ったエージェント達。目的地であるエポック都志に向かっているとバラバラと何かが機体を叩く。
「……雨かな」
 空気も湿ってたしとぽつりと零したのは木霊・C・リュカ(aa0068)だ。それに小窓を覗き込み、下に落ちていく線を確認した凛道(aa0068hero002)はそれに頷く。
「度胸試しとな、実に楽しそうな試みであるな! して、落書きは見つかったのだろうか」
「全然楽しくないのです……! 見つからない方がいいに決まってるのですよ」
 リュカの隣では紫 征四郎(aa0076)が楽しそうだというユエリャン・李(aa0076hero002)に顔をしかめている。
 そうしている間にもエポック都志の上空に到着。エージェントたちは次々と屋上へと降りていく。「では、後ほどーー」とアル(aa1730)が伝えようとしたが、一際強い風が吹き付けるとぐらりと機体が大きく揺れる。それもあり、エージェントたちは風によってエポック都志から引き離される前にと慌てて、屋上へと飛び降りた。通信機からは雑音だらけの音声で「こちらでの救援が厳しい」という旨が届けられた。それにリュカは吹き付けると海風と打ち付ける雨に仕方ないと頷く。
「……ッ!」
「ユーヤ!!」
 その一方で降り立った直後、ぐらりと揺れる麻生 遊夜(aa0452)。その姿にユフォアリーヤ(aa0452hero001)が声を上げる。それに遊夜は「大丈夫だ」と軽く手を挙げて見せた。
「アソウ、大丈夫ですか?」
「ああ、ちょっと立ちくらみしただけだ。問題ないさ」
「……ユーヤ」
 心配そうなユフォアリーヤを遊夜は撫で、大丈夫だと落ち着かせる。こちらに出発する前に参加した依頼では調子が良くなく、後方支援にとどまったが、今はそれを感じられない。
「それはともかく、2通期経って話だからここは二手に分かれるか」
「それがいいですね。合流して脱出すれば時間もかかりませんし」
 凜道の言葉にエージェント達は頷く。ただ、それに声を上げる者がいた。
「二手に分かれるのはいい思うけど、随分と多いみたいよ」
「先ほど、のぞいてみたが、うじゃうじゃいるぞ」
 ベルベット・ボア・ジィ(aa0936hero001)の言葉に泉興京 桜子(aa0936)が付け加え、全員が屋上から見下ろした。建物の周りに広がる雑木林や強く降り始めた雨が邪魔で正確な数は把握がつらいが、彼女たちの言葉の通り厄介な数いることは明らかだった。それに三手に分かれた方がいいだろうとなり、班分けをどうしたものかと顔を見合わせる。
「とりあえず、あたしたちは邪魔になりそうなゾンビちゃん達をお掃除しようかしら」
「うおーわかりやすいである! がんがんいくのであるぞ」
「では、征四郎たちもそちらに行きます!」
「うむ、それがよいな。しかし、ホラーは嫌いではないが、我輩ゾンビはあまり好きになれないである……」
 敵の頭数減らしに手を上げたのは桜子たちと征四郎たち。それに「では、そちらは任せる」と決まれば、「では、私はアズラルアンカーの方に行こうと思います。通報で気絶されているかたがいらっしゃるみたいですから」とすでにペンギン皇帝(aa4300hero001)と共鳴した酒又 織歌(aa4300)が手を挙げた。それにつられ、「じゃあ」とアルは紅獅子の方に行くということ手を挙げる。
「そいじゃあ、俺たちと酒又さんがアズラルアンカーのところへ」
「征四郎たちとセンコウインはゾンビ退治に向かうのです」
「じゃあ、残ったお兄さんたちは紅獅子のところに行こうか」
 それぞれに分かれる中、連絡を取り合う班のリーダーも決めると行動に移した。遊夜たちとリュカたちが建物の中に踏み込んでいく中、征四郎はユエリャンと共鳴し、ライヴスでできた鷹を飛ばす。建物の周りをぐるぐると回しながら、地上へと降下させていく。
「数が多いのです」
『ふむ、これはどこかに誘導するのがいいかもしれんな』
 裏口と正面を確認し、通信機のスイッチを押そうとしたところで、地上近くにいたこともあり、ゾンビが鷹に複数体が襲い掛かった。それにより、鷹はあっけなく崩れ落ちた。
「紫殿、どうされたのだ?」
「いえ、ちょっと鷹が攻撃されてしまったのです。でも、なんとか建物の状況はわかりました」
 どれだけのゾンビがいるかのおおよそと建物の損傷具合を通信機で、伝えると桜子とアイコンタクトをとると、同時に屋上から飛び降りた。

 5階。遊夜たちはリュカたちと分かれ、5階に留まるといるであろうアズラルアンカーを探す。どこかで話し声は聞こえないかと耳をすませば、雨の叩く音に混ざって微かに混乱しているような声が聞こえてきた。
「こっちだな」
「だいぶ、混乱しているようですね」
「まぁ、こんなことになるとは思ってもみなかったんだろう。それにしても、幽霊よりも従魔に警戒してほしいもんだがな」
「……ん、こういう案件ばかりだもの、ね?」
 特に四国にいるのだから、耳に入っていてもおかしくないんだがなと溜息を零す遊夜。ここ最近、四国のあちらこちらでゾンビ型従魔が起こす事件。恐らく、今回も何らかの関係があるだろうと遊夜は考えていた。
 そして、話し声が聞こえる部屋の前に来ると「よぅ、待たせたな」と部屋に踏み入る。そんな遊夜についてユフォアリーヤも「おまたせ」と言って、尻尾を揺らしながら入っていく。
「……H.O.P.Eか?」
「はい、H.O.P.Eです。助けに来ましたよー」
 証明としてエージェント登録証を提示し、確認してもらう織歌。それに見て、ホッとする者もいれば、「早くなんとかしてくれ」と訴える者もいた。
「なんとかしてやりたいのは山々なんだが、いかせん情報が少なくてな。情報提供してもらえるか?」
「大丈夫、皆、守るから」
 遊夜の言葉に情報提供って言ったってなぁと顔を見合わせる青年たち。
「ま、飯でも食いながら話をしようか」
 幻想蝶の中から遊夜の運営する孤児院の子供たちが作ったお菓子やおせちや高級弁当を取り出し、広げた。その美味しそうな食べ物に自然と唾を飲む。人によっては緊張が少しは解れたのか腹の虫が騒ぐものもいた。
「遠慮しなくていい。脱出するにも体力がいるからな」
 そんな遊夜の言葉に顔を見合わせ、そうだよな、口々に言うと美味しそうな食べ物へと次々と手を伸ばした。
 その一方で、織歌は蒼馬に近づき、気絶しているアズラルアンカーのリーダーである宇鷹康の容態を診せてもらっていた。頭などを強打していたらと思い、確認するも特にこれといった外傷はない。
「外傷はないみたいですけど、どこかを強く打ちつけたとかありますか?」
「いや、別にないはずだ。一応、倒れる前に支えれたから」
 そう答える蒼馬に織歌は「では、大丈夫そうですね」と一つ頷く。そうしていると「そーま」とお弁当を頬張る仲間に呼ばれた。
「コイツが話聞きたいってー。オレらリーダーについてきただけだからさぁ」
 お前なら知ってんじゃねぇか? という青年たちにふぅと一つ溜息を落とすと織歌に康を頼むと遊夜の方へと向かった。
「で、聞きたいことって」
「あぁ、簡単なことだ。なんで、ここに来たのか? だな」
「度胸試しだ。ま、うちの連中はなりはこうだが、ホラーは康を見てもらえばわかる通りだ」
「そうか。じゃあ、他には連れとかいるか? ほら、よくあるだろ。逃げてる間にはぐれたとか」
「…………仲間じゃねーが、紅獅子がいるはずだ」

 4階。紅獅子と合流したリュカたち。しかし、合流した当初はアルの英雄である白江(aa1730hero002)の姿を見て、阿鼻叫喚だった。アルは嫌な予感が当たったとばかりに誤解を解こうと必死になるが、聞いてもらえない。ただ、念仏を唱えていた権堂龍士の「黙れ」の一言に男たちは口を噤んだ。そこから、リュカが水筒や飯盒、トリートセットを取り出し、まずは落ち着こうかと紅獅子たちに飲み物を配る。そして、アルもコアラリュックの中にたっぷり入れたお菓子を並べた。
「で、そいつは幽霊とかじゃねぇんだな」
「そうだよ」
「だとよ」
 アルに白江のことを確認する質問をすれば、おずおずとだが紅獅子は胸を撫でおろしたようだ。そして、一点を見つめて、あれはどうなんだろうと首を傾げた。
「ウホ?」
 そこにいたのはやんちゃをするようになる前に教科書で見たことがあるような気がする猿人類――ホモ・ハビリス(aa4561hero001)。不思議な目に首を傾げるホモに彼の相方である犬養 菜摘(aa4561)は「彼も幽霊ではないです」と答えると全員が「だよな」と声をそろえた。
「さて、ちょっと和んだところで本題に行こうか」
「そうですね。あなた達もずっとここには居たくないでしょう」
「そりゃ当然だろ」
 リュカと凜道の言葉にうんうんと頷く。そして、情報を整理するという名目で、紅獅子から話を引き出していく。
「どうして、アズラルアンカーの人たちと一緒は嫌なの?」
「んな、情けねぇ姿見せられるわけねぇだろ」
 素朴な疑問に一人が答えれば、それに同調するように全員がうんうんと頷く。ただ、質問したアルはそういうものなの? と首を傾げていた。
「――、――」
 少し離れたところではエージェント達到着によって止めていた念仏を龍士が再開されていた。その念仏が気になってというよりも龍士の持つ数珠が気になったのかそろりと白江が龍士へと近づく。
「きよえちゃん? どうしたの?」
 白江は龍士の隣に座ると数珠を覗き込む。
「数珠……きよえも、持っているんです。あなたの大切なものなんですか?」
 自分の手首についている二連の数珠を見せながら、尋ねれば、龍士は念仏を再度止め、小さく「あぁ」と頷いた。それにアルも乗っかり「きよえちゃんが持ってる数珠は幻想蝶だよ。ボクらにとって、力を合わせて皆を救うのに必要なものなんだ」とにっこりと笑う。
「悪ぃが、俺のこれはそんなんじゃねぇよ」
 悲し気に数珠を見つめた龍士に白江はその数珠にそっと触れた。
「ふれると安心する、身体がぽかぽかして、勇気がわいてくる。……願いは必ず、ものに伝わるから。なかまを助けたいあなたの思いも、その数珠さんにきっと伝わっていると思います」
「そうだといいがな」
 そう話している後ろではリュカにより外でうようよしているものは“幽霊”ではなくて、リンカーなら倒せるものであることを説明していた。更に拳を握り「男の意地の見せどころ! 可愛い子の前でかっこわるい所見せるんじゃないぞっ」と語っていた。

●切り開く退路
 建物の外では桜子と征四郎が立ち回っていた。
「リュカたちが合流したみたいですね」
「ならば、そろそろ動く可能性があるということだな」
 一体一体の攻撃は弱く、ダメージにならず、話しながら、戦えるほど余裕があるというのに、数がいるため、キリがない。リンカーだから、それで済んでいるが一般人がここに飛び込めば、タダでは済まないだろう。
『おチビちゃん、確か、正面突破をするのだったな。ならば、あそこを補修しておく方がいいと思うぞ』
 通信機から入ってきた情報として、一緒に脱出することに断固拒否する要救助者たち。そのため、面倒が一組ずつ脱出させることとなった。しかし、問題となったのは出口。別々に脱出させれば、顔を合わせることもないのだが、いかせんゾンビの数が膨大である。そのため、正面入り口から突破を図るというものへとなった。
 そして、入り口の両端でゾンビを引きつける征四郎と桜子。ただ、やはり漏れというものもあるわけで、それらが壁に体当たりし、エントランスへと向かう通路の壁にダメージを与えていた。
「壊させはしません」
 孤月を一旦しまうと代わりにウレタン噴射器を手にする。そして、ひび割れた壁に噴射。
『ゾンビって自然発生するものじゃないわよね? 何かしらこの廃ホテルに仕掛けがしてあって呼び寄せるとか発生させるとかしてると多分思うんだけど……?』
「そんなものがあるのか!?」
『かもしれないってだけよ。そこは調べてみないとわからないわね』
 ただ、気になるのはさっき、使ったライヴスショットにゾンビたちが反応したことなのよねと桜子の中でベルベットは思考を巡らせる。そもそも、先程から中へ入ろうとするゾンビよりも征四郎と桜子に近づくゾンビの方が多い。視覚は働いていないのだろう。目は焦点があっておらず、攻撃も大きく腕を振るう程度。それは征四郎とユエリャンも感じていた。そして、内々で話し合っていると通信が入る。
「センコウイン、アズラルアンカーからくるそうです」
「うむ! こちらはいつでも大丈夫であるぞ」

 少し時間は遡り、紅獅子。
「いいですか、押すな、離すな、死ぬな、のおはしです」
 凜道による脱出の方法を説明していた。“おはし”についてはリュカが何ともいない顔をしていたが、この状況を考えると間違えていない気もした。斧近くでは菜摘とホモが隊列に置いての自分たちの動きを確認していた。ただ、傍から見るとただただホモが「ウホウホ」と鳴き、菜摘が頷き、提案するというもので、何をどう話し合っているのかわからなかった。その間にもアズラルアンカーが階段を下りて、出口へと向かう。丁度、4階を通る際にはタイミングよく音楽CD【希望】を取り出したアル。
「これにボクの曲も入ってて。『影の音』っていうの。歌ってもいい?」
 可愛い女の子にそう言われて、助けてくれるということもあってか否とは言えず、頷く。そして、機械で補っているとはいえ、奏でられる可愛らしい声。
“今は絶望(影)が濃く見えてるのかな?
でも影のないところに光は無い。表裏一体
しかもその影が濃ければ濃いほど
希望(光)は眩しく美しく見えるんだ。
あなたにとっての光は、なんですか?”
「諦めないでね。必ず、守るから」
 歌い終わった締めくくりにとそういえば、男たちは怖がっている自分たちを情けなく思った。その一方で、龍士は「おふくろ」と小さく呟き、数珠を握りしめた。

「……ん、ゆっくり、ついてきてね」
 尻尾をふりふり振りながら歩くユフォアリーヤにアズラルアンカーたちは気持ちのいい返事をしてついていっていた。共鳴のできる距離を保ち、敵に備えつつも通信機で現状の報告と紅獅子組と外組と情報をすり合わせを行う。
「ったく、お前らも現金だよなぁ。いや、確かに可愛いけど」
 意識を戻した康は織歌からもらったパンダクッキーを頬張りながら、歩いていた。それに「康も人のこと言えないだろ」と近くで小さく零していた。
 そして、1階に何事もなく到着するとその旨を報告し、遊夜はアズラルアンカーを振り返った。
「いいか、これをぶち破ったら、突っ走れ!」
「……ん、捕まっちゃ、ダメよ?」
「はぐれないように前の人をしっかりと追いかけてくださいね」
 遊夜、ユフォアリーヤ、織歌の言葉にアズラルアンカーはこわばった顔で頷く。そして、遊夜とユフォアリーヤや共鳴し、正面に積み上げられたバリケードを破壊。先陣を切って外へと出る。
「敵は征四郎たちが引きつけてます!」
「はぐれぬようにするのだぞ」
 土砂降りの中、戦闘していた征四郎と桜子から声がかかり、アズラルアンカーたちは遊夜たちの言うように走った。泥濘で足を取られそうになるが、近くにいる仲間たちを意識し、ひたすら走った。途中、ゾンビで襲われそうになるも、織歌がアイギスの盾で庇い、先を促す。織歌はアズラルアンカーにつき、遊夜はある程度敵を引き付けると列を離れ、ハウンドドッグから重武装エレキギター「パラダイスバード」に持ち替える。ギターを掻き鳴らした。
「さぁ、人生最後のライブだ!聴いてから逝きな!」
『……ん……ボク達の歌を聴けー!』

「マスター、アズラルアンカーが脱出したそうです」
「よし、お兄さんたちも行こうか」
 アズラルアンカーが突破する頃、紅獅子は2階へと移動していた。そして、リュカと凜道、菜摘とホモ、アルと白江はそれぞれ共鳴し、ゾンビに備え、正面へと向かう。
「共鳴するとね、皆を守る力が溢れてくるんだよ」
 アルはそういって龍士に微笑み、蛇腹剣を握る。
「さ、走ってください! ただ、“おはし”は忘れないように!」
 正面に到着すると中に入ってこようとするゾンビを凜道がグリムリーパーで一薙ぎする。そして、走れと促された紅獅子たちも走り出した。その手にはしっかりと命綱を握って。
「ひっ」
「あなた達には触れさせません!」
 戦闘は苦手ですが、精いっぱい補助させていただきますと菜摘はLSR-M110で襲い掛かるゾンビを撃ち抜く。
 龍士は周りを見て、情けない気持ちでいっぱいだった。雨の中、外で敵を引き付けていたのは共鳴しているとはいえ少女たち。更に、自分たちを落ちつけようと歌を歌ってくれたのもまた少女だ。男として、情けないと思うと同時に、昔も誰か女性に守ってもらった気がした。
「お兄さんたち言ってたけど、龍士さんは二重人格だって。でもね、きっと、そうじゃないと思うんだ」
 そういったアルの言葉で「なるほどな」と龍士は笑みを浮かべた。親父がおふくろの形見だから、持ってろと言った意味も、時折記憶がない意味も分かった気がする。
「……守りてぇもんがある。力を貸せよ」
 ぼそりと言えば、数珠が温かくなった気がした。それと同時に力が溢れてくる。
「ほらね、きよえちゃんが言った通り、願いは必ず、ものに伝わったでしょ」
「そうだな」
 アルの言葉に龍士は頷き、数珠の中の奴が武器として渡してくれた錫杖を握った。

●勝負の結果は両成敗
 無事に脱出したアズラルアンカーと紅獅子。彼らがゾンビが追っかけてこない所に辿り着くころには雨は止み、空には星が輝いてた。
「そういえば、聞き忘れてたんですが見つかりましたか? 落書き」
「あーー!! 忘れてたぁ。おい、権堂テメェのとこは見つけたのかよ!」
「……いや」
「よーし、じゃあ、引き分けだな」
 びしょ濡れのままもあれだからと龍士はエージェント達もアズラルアンカーも近くにある実家である寺社に連れ込んだ。そして、女性陣は特にゾンビの気持ち悪さに辟易していたようで「風呂を」という龍士の言葉に即座に食いつき、風呂場が華園と化した。その間に男たちは自分たちの髪を乾かしていたりしたのだが、その折にふと思い出したらしい凜道が声を上げれば、つられて康が叫ぶ。龍士が見つけてないと言えば、康はそれはもう誇らしげに胸を張った。


 後日、エージェントの元に菓子折りと裏に感謝が綴られた一枚の写真が届いた。そこに映っていたのはカメラに向かって微笑む中性的な有髪僧と壁の落書きを指差してニヤリと笑っている龍士の姿だった。

“龍士さんがご迷惑をおかけしました。されど、皆様のおかげで、こうして堂々と力を振るうことができます。誠にありがとうございました。”

結果

シナリオ成功度 成功
面白かった! 4 現在のあなたのポイント:0
※投票1回につき1ポイントを消費します。
ポイントがないため投票できません

このリプレイが面白かったと感じた人は投票してみましょう!
投票1回につき1ポイントを消費しますが、「1回投票する毎に【通貨】1000をプレゼント!」
あなたの投票がマスターの活力につながります。

MVP一覧

  • エージェント
    紫 征四郎aa0076
  • 優しい孤児院長
    麻生 遊夜aa0452
  • 彼方より救いの音を
    アルaa1730

重体一覧

参加者

  • エージェント
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|29才|男性|攻撃
  • エージェント
    凛道aa0068hero002
    英雄|23才|男性|カオ
  • エージェント
    紫 征四郎aa0076
    人間|8才|女性|攻撃
  • エージェント
    ユエリャン・李aa0076hero002
    英雄|28才|?|シャド
  • 優しい孤児院長
    麻生 遊夜aa0452
    機械|32才|男性|命中
  • あなたのとなり
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|16才|女性|ジャ
  • もふもふは正義
    泉興京 桜子aa0936
    人間|7才|女性|攻撃
  • エージェント
    ベルベット・ボア・ジィaa0936hero001
    英雄|26才|?|ブレ
  • 彼方より救いの音を
    アルaa1730
    機械|13才|女性|命中
  • 見つめ続ける童子
    白江aa1730hero002
    英雄|8才|?|ブレ
  • 悪気はない。
    酒又 織歌aa4300
    人間|16才|女性|生命
  • ぷるぷる皇帝
    ペンギン皇帝aa4300hero001
    英雄|7才|男性|バト
  • エージェント
    犬養 菜摘aa4561
    人間|22才|女性|命中
  • エージェント
    ホモ・ハビリスaa4561hero001
    英雄|25才|男性|ジャ
前に戻る
ページトップへ戻る