文部科学省は20日までに、今年から始めた若手研究者を企業や大学に仲介する「卓越研究員」制度で、東京大学など47機関に83人の受け入れが決まったと発表した。ただし企業に決まったのは4人にとどまった。研究者のアカデミア志向や、優秀な若手を厚遇する海外企業への流出などが背景にあるとみられる。
新制度では、40代までの研究者150人程度を「卓越研究員」に認定。企業や大学が雇用条件を示し、研究者の希望と合えば受け入れる仕組みだ。10月末までに受け入れが決まったのは産業技術総合研究所が8人、東大が6人、京都大学が5人など研究機関が中心だ。
企業23社も受け入れの意向を示したが、決まったのはソニーコンピュータサイエンス研究所など4人のみ。トヨタ自動車は年13万ドル(約1400万円)の基本給とボーナスという破格の条件を示したが、受け入れにはつながらなかった。
