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実質GDPと名目GDPを逆転させるGDPデフレーターって何?

 内閣府が14日に発表した7~9月期のGDP(国内総生産)において名目値と実質値が逆転するという現象が発生しました(過去のデータも再計算され、4~6月期も結果的に逆転現象が起こっています)。これは日本経済がデフレになっており、物価が下がった分、実質GDPの数字がかさ上げされたということを意味しています。物価が下がるとGDPが増えるというのは、少しピンとこない話ですが、これはどう考えればよいのでしょうか。

 私たちが一般的に景気の判断に用いている実質GDPは、物価の影響を除いた数値です。GDPの数字が3%上昇しても、物価が同じく3%上昇してしまえば、現実の生活は豊かになりません。このため経済成長について議論する際には、物価の上昇分を差し引く必要があり、そのための指標が実質GDPということになります。実質GDPは名目GDPから物価上昇率を差し引いて求められますが、この時、物価上昇率として用いられるのがGDPデフレーターです(順番から言うと、GDPの実質化を行った結果として、GDPデフレーターが算出されていると考えた方がよいかもしれません)。

 GDPデフレーターは基本的に物価の上下変動を表しています。したがって消費者物価指数に近い動きをするのですが、両者は異なる指標です。消費者物価指数は、算出の際に基準となる数量が基準年の数量(ラスパイレス方式)ですが、GDPデフレーターは今期の数量を基準に算出されることになります(パーシェ方式)。また現在、公表されている実質GDPの数値は、基準年を毎年シフトさせ、これを積み重ねて行くというさらに複雑な処理を行っています(連鎖方式)。

 簡単に言ってしまうと、GDPデフレーターがマイナスになるということは、基本的にデフレであり、その分だけ実質GDPの数値はかさ上げされると考えれば大丈夫です。具体的な数字を見てみましょう。

 今期(7~9月期)の名目GDPはプラス0.2%ですが、GDPデフレーターがマイナス0.3%でしたので、0.2%からマイナス0.3%を引くとプラス0.5%です。今期の実質GDPはプラス0.5%ですので、名目値よりも実質値の方が大きくなりました。ちなみに1~3月期のGDPは名目値がプラス0.8%、実質値はプラス0.5%ですので、名目値の方が実質値よりも大きくなっています。

 基本的に資本主義社会ではインフレが継続することの方が多く、実質GDPを算出する際、物価上昇分を差し引くのはインフレの影響を考慮するためでした。しかし、デフレという例外的な状況になると物価が下がっているのにGDPが増えるという逆転現象が発生してしまいます。経済成長に関する記事などを読む際には、物価の上昇がどの程度だったのかについても注意を払っておく必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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