対局を振り返る囲碁ソフト「DeepZenGo」に敗れた二十五世本因坊治勲(手前)。奥はソフト開発者の加藤英樹さん=東京都内のホテルで2016年11月20日午後4時23分、小出洋平撮影
二十五世本因坊治勲(趙治勲九段)と日本発の囲碁ソフト「DeepZenGo」が対局する第2回囲碁電王戦三番勝負第2局が20日、東京都内で打たれ、ソフトが黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。日本のソフトが棋士にハンディなしで勝つのは初めて。
米グーグル傘下の人工知能(AI)開発企業のソフト「アルファ碁」にトップ棋士級の力があることが知られているが、日本発のソフトも一流棋士クラスの棋力があることを見せつけた。「Deep……」の開発チーム代表、加藤英樹さんは「感無量。最終局はさらに改良を加えて臨みたい」、治勲は「言葉がない。まずい碁を打った。次はもう少しましな碁を打ちたい」と話した。第3局は23日、打たれる。
先番の「Deep……」は序盤から中央を重視する作戦を展開し、優勢を確立。中盤戦、治勲が中央で勝負手を放ち、治勲のしのぎ、ソフトの攻めという展開になった。治勲はしのぎの名手として知られるが、ソフトの攻めは強烈を極め、最後は大石を撲殺し、圧勝した。【金沢盛栄】