中国 「自由貿易圏作りの主導権狙う」の指摘に不快感

中国 「自由貿易圏作りの主導権狙う」の指摘に不快感
中国政府は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の発効の見通しが立たないなか、中国が、自由貿易圏作りの主導権を握ろうとしていると指摘されていることについて、不快感を示しました。
南米のペルーで20日まで開かれたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議の閉幕後、中国外務省経済局の談践副局長は現地で記者会見を開きました。

この中で談副局長は、アメリカのトランプ次期大統領が反対するなどして、TPPの発効の見通しが立たないことについて、「さまざまな見方や困難があるようだが、中国はメンバーではない。われわれは貿易圏作りには常に開放的な態度だ」と述べました。そのうえで、TPPの現状を背景に、中国がアメリカが参加しないRCEP=東アジア地域包括的経済連携の交渉などに力を入れ、自由貿易圏作りの主導権を握ろうとしていると指摘されていることについて、「われわれは、TPPもほかの協定も平等に考えている。どの貿易圏が重要だとかいう問題ではない」と述べ、不快感を示しました。

一方で談副局長は、今回のAPECで、TPP参加国のペルーとチリがRCEPに参加したい意向を表明したと述べるなど、TPPをけん制したともとれる発言もしていて、中国は今後、トランプ次期大統領の政策などを見極めながら、自由貿易圏をめぐる戦略を決めるものと見られます。