０．まえがき
今日（１１／１９）現在、サンフレッチェ広島のトップチームは、オフ組と欧州遠征組の２手に分かれて、それぞれのやるべきことをやっている最中です。 次の試合が１ヵ月以上先にあるという、少し寂しい期間ではあります。
そんな折、佐藤寿人選手に名古屋グランパスからのオファーが届き、名古屋と広島が寿人と交渉の席を持っていることが、ここ数日、伝えられています。 サンフレやグランパスのファンサポはもちろん、Ｊリーグに注目している多くの人が、その進捗を気にしている状況です。 殊に、寿人ファンの方々は、いろいろと心配しておられるのではないでしょうか。
この状況を踏まえ、しかし、私は少し別の観点から、この話題に触れてみたいと思うのです。
１．曖昧模糊とした記事
まず、今朝、Ｙａｈｏｏニュースで配信された、デイリースポーツ発の記事について見てみます。 タイトルは「寿人、来季Ｊ２名古屋へ完全移籍濃厚 監督は風間氏就任決定的」でした。
記事の前半は、八宏さんが名古屋の新監督に就任することが決定的になった、とあり、近く発表される予定だと書かれています。 そして、後半が寿人に関する内容となっているわけですが… 抜粋すると、こうなります。
・（名古屋が）広島のＦＷ佐藤寿人（３４）を完全移籍で獲得することが濃厚となった。 ・（寿人は）他クラブへの移籍を視野に入れている。 ・関係者によると、１７日夜にグランパス幹部と直接交渉し、加入に前向きな意向を示したという。
書かれていることは、これだけです。
見出しを見ると、いかにも寿人の名古屋への移籍が速攻で決まりそうな雰囲気ですが、よくよく記事を読んでみれば、具体的なことは何一つ決まっていないことが分かります。 例によって「関係者」なる誰だか分からない人物が登場していますし（笑）、そもそも「濃厚」という単語が胡散臭いですし（笑）。
そして、ここがポイントだと思うのですが、「加入に前向きな意向」というあいまいな表現が使われている点。 正にこの手の記事の手法そのものだなあ、と私は思いました。 これって、「寿人が入団の意向を示した」と取れるような文章だけども、私はその解釈を採りませんでした。
２．私の解釈
就職活動で、いくつかの会社に履歴書を送ったとします。 そして、その中のいくつかから、面接の案内が届いたとします。 関心を持って応募した会社、どうしても合格したいという思いで、面接に向かうはずですよね。
面接で大切なことはいくつかありますが、「自分はこの会社に入りたいんだ！」という意欲をアピールすることは非常に重要です。 その意欲を見せる人と見せない人と、採用担当者がどちらを選びたいと思うか、を考えれば、その重要性は言うまでもありません。 採用を勝ち取るためには、前向きな姿勢を見せることが必要条件ですし、逆に、その気持ち無く面接に臨むのは、採用担当者に対して失礼です。
今の寿人の状況は、自分の将来を能動的に考えて行動しているという意味において、就活に挑む応募者の状況に似ているように思います。
寿人が移籍を視野に入れていることは確かです。（過去に本人が語っていて、ニュース記事にもなっています。） そんな心境の彼が、名古屋からオファーを受け、交渉の席に着きました。 まず、（報道等で伝えられる）寿人の普段の言動から考えて、彼が交渉相手に対して失礼な態度を取るはずはありません。 それに、寿人自身の将来にとって重要な交渉事ですから、当然、前向きな姿勢で臨んだでしょう。
要するに、「加入に前向きな意向を示す」のは、交渉に臨む姿勢として、ごくごく当たり前の行動で、それ以上でもそれ以下でもありません。
この記事へのコメントコメント一覧
寿人が移籍するなんて誰が決めた？ ～移籍情報との付き合い方～
コメント投稿者ID：tacker | 2016年11月21日 00:52
こんばんは。どうもどうも。
そうですよね、鵜呑みにしない方がいいですよね。
って、本文に書いてますって（笑）。
もしや、読んでませんね（微笑）。
冗談はさておき、確かに、サンフレッチェの情報ガードは堅固ですよね。
洋次郎の旅立ち、ウタカの加入、野上の加入、その他、サプライズが多い印象があります。
それに、紳士協定でもあるのか、大本営（中国新聞）が無闇に記事を書かないことも大きいですね。
記事になってからクラブがリリースを出すまでが、ホント、短いですから
（今期前の移籍報道も、公式発表の朝までは記事になっていないはずです。）
サンフレがしっかり運営されている証左だと思うのですが、そんなクラブも、寿人の慰留はできなかったらしい…
まだ、私の中では未確定なんですけどね。
その辺りは、時期が来たら、続編としてアップする定めになりそうです。
今回も、コメントありがとうございました。
それではまた！
寿人が移籍するなんて誰が決めた？ ～移籍情報との付き合い方～
コメント投稿者ID：tacker | 2016年11月21日 00:24
お久しぶりです。確か３回目でしたか。
お越しいただき、ありがとうございます。
あとがきで触れたように、当記事をアップする直前、大本営（中国新聞）のサイトに行って、新着記事が無いことを確認したのですが、その３０分後ぐらいに、ご指摘の記事がアップされたらしいんですよね…
寿人に対する想いが強いほど、「移籍濃厚」の記事に強く反応してしまう。
odashin0504 さんが仰る通りで、それは止むを得ないことだと思います。
でも、あの時点では、移籍を決定づける何物も示されていなかったわけなので、移籍前提のコメントは、やっぱり先走り過ぎじゃなかったかなあ、と今も思いますね。
odashin0504 さんは、信じるべき基準を大本営報道に置いているのですね。
判断基準として妥当だと思います。
特に今回は、共同通信の配信ではなく、中橋記者の署名記事でしたし。
ただ、私は、本文に書いた通り、正式発表を以って確定とすることに、以前から決めています。
クラブのリリースか、寿人のオフィシャルか、どこかに文章が載ったら、当記事の続編を書くことになろうかと思います。
寿人へのエールは、その時まで書かずにおきます。
（なお、大本営の記事は、覚悟を決めるために、心の準備をするために使っています。）
今回も、コメントありがとうございました。
また、いつでもお越しください！
それでは。
寿人が移籍するなんて誰が決めた？ ～移籍情報との付き合い方～
コメント投稿者ID：tacker | 2016年11月20日 23:45
初めまして。よくぞお越しくださいました！
ブログ、何度か読ませて頂いておりますよ。
仰るようなマスコミ特有の書き方、言い回しは、やっぱり胡散臭く感じられます。
オフレコその他の制約で、名前を出すとまずい、というようなことがあるのかもしれませんが、「関係者が云々」とか言われても、本当に存在するのかどうか、にわかには信じ難いですよね。
まあ、記者さんたちも彼らなりに使命感を持って働いておられるはずなので、マスコミのやることがすべてダメダメだと言うことはできませんが。
それに、読者の側にも課題はあると思いますね。
移籍前提のコメントの話を本文で書きましたが、煽情的な見出しと不確実な内容に惑わされる人が続出したわけですから。
どちらが卵か鶏か、ということはありますが、理想としては、マスコミと読者層が両輪として共に向上していきたいところです。
現状では難しい気がしますが…
いずれにしても、我々は読者の立場ですから、読解力や情報の取捨選択力を磨いていくより他ありませんね。
仰る通りだと思います。
コメント、ありがとうございました。
それでは。
寿人が移籍するなんて誰が決めた？ ～移籍情報との付き合い方～
コメント投稿者ID：tacker | 2016年11月20日 23:05
よくぞお越しくださいました！
当ブログは、他サポの方も大歓迎です。
そもそも、このブログに最初にコメントを下さったのが、清水サポの方だったほどでしてね（笑）。
さて、マスコミが情報操作しているかどうかはともかく、移籍報道を見て右往左往してしまうのは、チームや選手への想いの裏返しでもあるので、致し方ない面はあります。
でも、「じゃあ、鳥栖のファンサポは、その記事と林の判断と、どちらを信じるんですか？」と問われたら、それはもう絶対、後者のはずなんですよね。
それに、先走った記事に反応して「移籍しても頑張って」なんて書き込みが増えたら、危険ですよね。
もしも林彰洋がそれを読んだらどう感じるだろうか、などと思ってしまいます。
やはり、まずは、落ち着くことが肝要かと思います。
そして、本文にも書いた通り、kazui さんも仰る通り、何を信じるべきなのか、それぞれが考えて行動しなくちゃならないんだと思いますね。
では、機会があれば、また是非お越しください！
コメント、ありがとうございました。