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【ゴルフ】

イ・ボミが2年連続賞金女王 苦しんで苦しんで決めた

2016年11月21日 紙面から

2年連続賞金女王を決め、ケーキで祝福されるイ・ボミ=エリエールGC松山で(神代雅夫撮影)

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◇大王製紙エリエール<最終日>

 ▽20日▽松山市・エリエールGC松山(6474ヤード、パー72)▽曇り、21・2度、南西4・4メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽54選手(うちアマ2人)▽観衆6445人

 イ・ボミ(韓国)が通算9アンダー26位で大会を終え、次週のツアー最終戦を残して2年連続の賞金女王が確定した。優勝を条件に逆転女王の可能性を残していた笠りつ子(29)=京セラ=は同じく9アンダー26位、申ジエ(韓国)は7アンダー36位に終わった。2日目コースレコード62を出して首位に立ったテレサ・ルー(台湾)が68と伸ばし、ツアー新記録の24アンダーで今季3勝目、日本ツアー通算12勝目を達成。2日連続の65で猛追した比嘉真美子(23)=ジブラルタ生命保険=が1打差2位に入った。

 1試合を残しての今季獲得賞金は1億7411万4764円。ランク2位・申ジエとの差は3701万円余。すでにシーズン5勝を飾り、平均ストロークやパーセーブ率など8つの部門別ランク中5部門で1位を走る。なのに、「今年は本当にしんどかった」とイ・ボミ。2年連続の賞金女王決定にも「今はうれしいですけど、逆に来年はもっと大きなプレッシャーでしんどくなると思うと…目標設定もさらに難しいですね。悩みます。でも、早く女王を決めてちょっとでも休みたかった」とタメ息をついた。

 最終日はインスタート。それでも10番ティーグラウンドには朝から200人以上が詰めかけた。「ビックリしました。いい成績じゃないのに…心が温かくなりました。ファンのみなさんと一緒に呼吸してる感じでプレーしました」。7バーディー、2ボギー、67のゴルフ。最終9番は3メートルのバーディーパットを決めて歓声に応えた。

 今季は第2戦でシーズン初Vの後、8月までに4勝したが、その後の8連戦で心身ともにボロボロになった。メジャー大会、前年度優勝大会、スポンサー大会、昨年欠場大会、どれも休むわけにはいかなかった。「疲れをとるために練習を減らした。そうしたらゴルフが下手になって。また練習すると疲れて、試合中の集中ができなくなって…」の悪循環。苦しかった。

 ホテルの部屋で泣いていた夜もあった。それでもくじけず、前を向いて笑った。その末にたどり着いた女王の座だった。「来年の元旦になったら韓国の数え年では30歳。以前は28歳で引退と言ってた時もあったけど、30歳で今のボミはカッコいいんじゃないかなと思います。日本に来てから30代の、大人の女性らしさも知りましたから」と笑顔で肩をすくめたイ・ボミ。28歳、絶好調。実力でも人気でも、まだまだ日本ツアーを引っ張る。 (月橋文美)

 

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