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【大相撲】

幕内最軽量114キロの石浦が7連勝 ダル見習い1日5食で体作り

2016年11月21日 紙面から

旭秀鵬(右)を上手投げで破る石浦=福岡国際センターで(式町要撮影)

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◇九州場所<8日目>

(20日・福岡国際センター)

 新入幕で114キロの幕内最軽量、石浦(26)=宮城野=が旭秀鵬を上手投げで破り、7連勝で1敗を守った。綱とりの大関豪栄道(30)=境川=は関脇隠岐の海に行司差し違えにより押し出しで敗れ、痛い2敗目。横綱鶴竜(31)=井筒=は小結玉鷲を下手ひねりで退けて8連勝で勝ち越し、単独首位を守った。

 幕内最軽量の小兵ながら、盛り上がった大胸筋に精悍(せいかん)なマスク。日大卒業後のオーストラリア留学時代に映画「X−MEN」シリーズの「ウルヴァリン SAMURAI」のオーディションに合格した石浦が、ハリウッドではなく土俵で観客を魅了している。

 立ち合いで素早く左の上手をつかむと間髪入れず上手投げ。「集中できてます、立ち合いが」と2日目から7連勝で勝ち越しに王手。同部屋の白鵬と並んで全勝の鶴竜を追っている。

 十両の宇良、里山と今場所は小兵の活躍が目を引く。石浦も苦労しながら勝つための努力を惜しまない。空腹を感じると体重が落ちるため、1日7食で大きくした大リーグ・レンジャースのダルビッシュをまねて今も1日5食を詰め込んでいる。十両時代は場所が終わると「6キロくらい落ちてた」というが、幕内では稽古後のちゃんこを食べる時間ができ「それを食べて、場所に行く前にバナナとかチョコレート、部屋に戻ってちゃんこ、夜10時前後に夜食を食べて、寝る前にプロテイン」。食べまくって体重を維持している。

 日大相撲部時代は結果を残せず、将来は相撲と世界のかけ橋になろうと留学した。体重は70キロしかなく「腹筋が割れてました」というが、その筋肉質な体を格闘技でレフェリーをする和田良覚さんを専属トレーナーに鍛え、ベンチプレス200キロ、スクワット260キロを上げる。

 1敗を守る快進撃には白鵬も「人間が変わったみたい」と驚きを隠せない。父は高校相撲の名門・鳥取城北高の監督。幼少期から相撲を始めセンスは折り紙付きで、白鵬も「あと1勝したら敢闘賞、技能賞のW受賞かな。あとひとつ、大技を出してほしいね」と目を細める。

 相撲を世界へ。当時の夢を自らが注目を浴びることでかなえていく。 (岸本隆)

 

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