@KCUAで起きたこと
2016年1月30日(土)、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)にて「真のアカデミー」と名付けられ開催されたイベント内において起きた事を以下に時系列で整理する。(3)以降は、げいまきまき(ツイッターアカウント @makielastic )さんからの聞き取りによる。
(1)イベントの告知は事前にウェブサイトにアップされていた;
http://gallery.kcua.ac.jp/events/20160109_id=8029#ja
今回、私たちが問題としているのは以下の部分(赤文字表記は作成者による)である。
以下、ギャラリーウェブサイトより引用(2016年2月12日20時確認)
(引用ここから)
2016年1月30日(土)14:00〜
「88の提案の実現に向けて」丹羽良徳
アカデミーと社会との往来 のなかで「88の提案」よりピックアップした提案の以下の実現に向けて実践的な行動を開始します。
便宜的に講義ということにしておきますが、実際には参加者の実践的な参加が求められます。当日はビデオ撮影を予定しているので、参加者はビデオに映ることをご了承のうえ参加ください。同時刻より増本泰斗 featuring 吉濱翔「bar spiritual fitness」と同時並行で開催。持ち物なし、途中参加・途中退場自由。
14. デリバリーヘルスのサービスを会場に呼ぶ
78. 男子トイレと女子トイレを入れ替える
74. 階段で野菜の天ぷらを揚げる
85. タクシーで城の周りを5周する
(イベント終了後追記)
上記提案のうち、74と85は実現に向けての実践的な行動が行われ、14については急遽、事情に詳しい方にお越しいただき、仮にそれを行った場合におこるさまざまな問題点について、お話を伺いました。78は未検討です。
(引用ここまで)
(2)京都市立芸術大学教員加須屋さんからブブ・ド・ラ・マドレーヌ(ツイッターアカウント@bubu_de_la_ma )への電話による説明(1月30日深夜)
加須屋さんより「ワークショップが開始されて約1時間、アーティストである丹羽良徳さんと参加者3名、加須屋さん、アクア学芸員の藤田さんの6名によって『デリバリーヘルスのサービスを会場に呼ぶ』についての検討がなされた。まず、そこに居る人全員で、インターネットのサイトでデリバリーヘルスのHPを閲覧した。そして デリヘルに(客として)電話するか否か? それはリスキーなのではないか? といった会話がなされた。」との説明があった。ブブが「それは誰にとってのどんなリスクだということが話されたのですか」と加須屋さんに問うと、加須屋さんは絶句した。つまり「デリバリーヘルスのサービスを会場に呼ぶ」という提案が、誰にとってどんなリスクがあるのかはその時点では誰にも認識されていなかった。
(3)げいまきまきさんから、この「@KCUAで起きたこと」作成者に対して話された状況
ワークショップが始まって約1時間後、藤田さんは、元セックスワーカーであることをカミングアウトしているアーティストのげいまきまきさんを呼ぶことを思いついた。それをその場で提案し、藤田さんは知人のAさんに電話をしてげいまきまきさんを紹介してほしいと依頼した。そしてAさんからげいまきまきさんに電話で連絡が取られ、げいまきまきさんが急遽その場に来ることが可能かどうかが尋ねられた。藤田さんからAさんを経由したげいまきまきさんへの説明としては「詳しい人として業界の話などを聞かせてほしい。」とのことであった。
Aさんも藤田さんから簡単な説明しか受けなかったので、Aさんはげいまきまきさんに対して「どうも、業界のタブー等を話してもらえたら、ということらしい」などと言った。それを聞いたげいまきまきさんは「良からぬ予感」がしたので、すぐに会場に向かった。
(この時刻、このワークショップに同席していた加須屋さんはブブに対してFacebookから「ご連絡下さい」とのメッセージを送っているが、ブブが加須屋さんに連絡をとったのは同日の深夜。)
会場に到着したげいまきまきさんは、会場の前で「88の提案」の中の「14. デリバリーヘルスのサービスを会場に呼ぶ」の所に「実施中」との張り紙が矢印で示されているのを見た。
げいまきまきさんは、会場に着いたらまず自分を呼んだ人(藤田さん)から説明があるだろうと思っていたが、そのままワークショップ現場に通された。
げいまきまきさんは「88の提案」の表の前で、丹羽さんと他の参加者に対して幾つか質問をした。彼らからは「デリヘルをここに呼ぶって問題ありますか?」「ダメなんですか?」という質問があった。丹羽氏やほかの参加者も笑っていた。
参加者のひとりがビデオカメラを持っていた。げいまきまきさんは「カメラってどういうことやねん」と言おうとした時に撮影の是非を訊かれたので、後で自分用の記録として必要なのかもと思って彼女は撮影を許可した(しかしそのカメラのバッテリーは途中で切れた)。
ワークショップにはその後、遅れて2名の参加者があった。
ワークショップの間に丹羽さんと参加者との間で「勤務中のデリヘル嬢が来た場合にビデオ撮影をするかどうか」についての会話があり、丹羽さんからは「しないよ」との発言があったようにげいまきまきさんは記憶しているが、彼女に対してその件についての明確な説明は無かった。
また、その会場は丹羽さん以外の作品の展示もされていて、ワークショップの間、他の観客の出入り及び写真・ビデオ撮影は自由であった。そのことに気付いたげいまきまきさんは丹羽さんに対して「この空間は撮影自由なのですか?」と尋ねたところ、丹羽さんは「ああ、自由ですよ」と当然のように答えた。
その後約2時間にわたってげいまきまきさんはこの「アート」がセックスワーカーにとってどのように酷い事であるかを説明し、丹羽さん及び参加者との話し合いを重ねた。(詳細は「直後のつぶやき」の項参照のこと。)
ワークショップ終了後、げいまきまきさんが藤田さんに話しかけると「何人かゲストを呼んできたけれど、今回が一番真のアカデミーでした」とお礼を述べられた。げいまきまきさんはショックを受けたが、会場ということもあり藤田さんが私を思い出して呼んでくれからこそ実行の可能性はほぼ無しになったのだと思い、げいまきまきさんもお礼を述べた。そして会場を後にした。この時、誰の見送りも謝礼や経費の話もなかった。
また、ワークショップ終了後、げいまきまきさんは藤田さんから、撮影した映像を展覧会の会期中に展示する可能性があるが良いかと聞かれ、その時は問題無いと思ったので許可したが、後でそれがどのような説明のもとで展示されるのかがわからないので、やっぱり断ろうかと考えている。(2月4日現在)
ワークショップが当初のげいまきまきさんの予想より大幅に時間がかかったので、げいまきまきさんはワークショップ後に予定していた約束をキャンセルした。
その後のげいまきまきさんと藤田さんとの電話(2月4日深夜)の中で、げいまきまきさんは「そもそも藤田さんが、この提案が実施された場合のことを危惧して私を思い出して連絡を取ってくれたから(就労中のデリヘル嬢を呼ぶことを)止めることが出来た」との「労(ねぎら)い」を述べた。それに対して藤田さんは「違う。デリヘルのホームページを見ていた丹羽さん達がなんとなく呼ぶことは難しそうだと言っており、しかしその理由がいまいちわかり辛い。あのワークショップは実践できないならできないことの理由を帰着させることが必要なのだ。だからその手助けにという意味で呼んだのだ」と答えた。
また、げいまきまきさんが会場に到着した時点で入口にあった「『デリバリーヘルスのサービスを呼ぶ』に赤い矢印、及び『実行中(もしくは実施中)』と書かれた張り紙」について質問すると、藤田さんは「げいまきまきさんはデリヘルじゃないじゃないですか」と答えた。
(4)最終的に、現役で就労中のデリヘル嬢がその会場に呼ばれることは無かった。
(5)2月2日午前に藤田さんからAさんを通してげいまきまきさんに対して謝礼を支払いたいとの表明があった。そのことをAさんは午後にげいまきまきさんに伝えた。
(6)げいまきまきさんは、アクアの公式サイト の中の「イベント終了後追記」で、「14については急遽、事情に詳しい方にお越しいただき、仮にそれを行った場合におこるさまざまな問題点について、お話を伺いました。」と記載されていることについて、この書き方だとアーティストと主催者はこの提案の実施についてげいまきまきさんの話を聞く前にある程度問題を認識していたかのような印象を受けるが、げいまきまきさんにはそのようには感じられなかったので、この表現には違和感がある、としている。
(7)2月14日現在、げいまきまきさんに丹羽さんからは会いたいとの要望はあったが、今のところげいまきまきさんは会うつもりはない。 加須屋さんからは音沙汰はない。 藤田さんからは第三者を入れた話し合いと謝礼金について提案の連絡があった。
文責: ブブ
Notes
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