【リマ会川晴之】オバマ米大統領と中国の習近平国家主席は19日夕(日本時間20日朝)、リマ市内のホテルで約2時間会談した。ホワイトハウスによると、両首脳は、両国が主導した地球温暖化の新しい枠組みである「パリ協定」が今月初旬に発効したことを歓迎するとともに、核実験や弾道ミサイルの打ち上げを続ける北朝鮮への懸念を共有し、非核化の実現に向け両国が協力しあうことが重要との認識で一致した。
会談冒頭にオバマ氏は、イラン核問題や地球温暖化問題などで米中両国が協力関係を進めてきたことを強調、「両国の関係は、世界で最も重要」と述べた。これに対し習氏は「両国が協調し、相違点を管理しながら、円滑な関係を発展させることを願う」と述べた。
ただオバマ氏は、南シナ海における中国の権益問題に触れたほか、内需主導の経済に転換するため、国営企業改革や市場原理に伴う為替政策の導入などに中国が取り組むよう要請した。
オバマ・習会談は9月初旬に中国・杭州で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議以来。杭州では、首脳会談前に「パリ協定」の批准書を潘基文(バンキムン)国連事務総長に寄託するなど、両国が地球規模の問題に協力して対処している姿を演出した。
だが、ドナルド・トランプ次期米大統領は「パリ協定」からの離脱を表明しているため、米中の協力分野が狭められる可能性もあり、両国関係は不透明感を増している。