【フィギュア】平昌五輪へまた新星!坂本花織がV

2016年11月21日5時30分  スポーツ報知
  • 表彰式で笑顔を見せる(左から)2位・白岩優奈、優勝・坂本花織、3位・本田真凜
  • 優勝した坂本花織のフリーの演技

 ◆フィギュアスケート全日本ジュニア選手権 最終日(20日、北海道・月寒体育館)

 18年平昌五輪へ、またまた新星が現れた。女子はショートプログラム(SP)1位の坂本花織(16)=神戸ク=がフリー2位の124・52点、合計191・97点で初優勝を飾った。昨季世界ジュニア女王でSP2位の本田真凜(15)=大阪・関大中=はフリー6位の111・37点、合計176・23点で3位に終わった。SP4位の紀平(きひら)梨花(14)=関大KFSC=は153・73点で11位。

 冒頭のフリップ―トウループの連続3回転を決めると、坂本の笑顔がはじけた。「今日はいける」。確信した。気迫みなぎる滑りで他を圧倒した。「優勝したいという意気込みはすごくあった。去年の悔しさがあったからこそ思い切りできた」。今大会は歴代優勝者の多くが世界女王に上り詰めている“スター登竜門”。自己ベストを上回る高得点で表彰台の一番上に立った。

 シニア顔負けの武器がある。「ジャンプの幅は誰にも負けない」と自負している。カール・ルイスの走り幅跳びを彷彿(ほうふつ)させるような対空時間の長い、幅のあるジャンプで加点を稼いだ。脚力も自慢だ。「昔からピョンピョンはねていたみたい」。幼い頃は歩かずに跳んでいた。母・悦子さんに「ちゃんと、まともに歩いてよ」とよく怒られた。「移動手段がジャンプ、みたいな。ヘヘへ」。陸の上でも跳ぶことが好きだった。

 中野園子コーチから「ここで勝てなきゃ、もう一年ジュニアよ」と優勝を厳命されて臨んだ。昨年9月に右すねを疲労骨折した。10月末まで氷に上がれず、トレーニングだけの日々を送った。2週間の練習で出場した昨年大会は5位に沈んだが、その経験をプラスに変えた。「長い期間、氷を離れたことで、今できることをしっかりやろうと思うようになった」。今年の夏合宿では5キロの走り込みを10日間行い、スタミナを強化した。

 来季シニアに転向する伸び盛りの16歳には、平昌五輪への期待が高まる。14年に6位に入った年末の全日本選手権が腕試しの場。表彰台に上がれば、3月の世界選手権出場の可能性も出てくる。「今までシニアを経験してきた人が優勢だとは思うけど、来年は思い切っていきたい」。平昌イヤーでのビッグジャンプを見据えた。(高木 恵)

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