韓国・朴大統領が容疑者に…「相当部分で共謀」検察が聴取の方針

2016年11月21日6時0分  スポーツ報知

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(64)の親友、崔順実(チェ・スンシル、60)容疑者による国政介入疑惑で、韓国検察は20日、崔容疑者と大統領府の前政策調整首席秘書官の安鍾範(アン・ジョンボム、57)容疑者、前付属秘書官チョン・ホソン容疑者(47)の計3人を起訴した。検察幹部は捜査の中間結果を発表し、朴大統領が3人と「相当部分で共謀関係にある」と指摘。起訴状にも明記した。今後、朴氏を容疑者とみなし、事情聴取する方針だが、朴氏はこれを拒否し、徹底抗戦する構えを示している。

 韓国中で退陣を求める声が日々強まっている現大統領が、ついに容疑者とみなされた。検察は起訴状で、一部の起訴内容について朴氏が共謀関係にあったと記載。犯罪加担を明言した。朴氏はテレビが生中継した検察の発表を大統領府で視聴したという。ただし韓国の憲法の規定では、大統領は在任中、内乱罪などを除き起訴されない。退任後や弾劾成立時には起訴が可能となる。

 朴氏側の柳栄夏(ユ・ヨンハ)弁護士は検察の判断に対して「極めて遺憾」と表明。朴氏は4日の国民向け談話で謝罪した際、「特定の個人が利権をむさぼった」と述べ、自身の直接関与を否定している。当局は週内にも容疑者として朴氏を事情聴取する方針だが、朴氏は柳弁護士を通じて「(事情聴取の)要請には一切応じない」と表明。大統領府は検察捜査に対し「全く事実ではなく、想像に基づいた砂上の楼閣だ」と批判した。

 検察によると、崔氏と安氏の両被告は、崔被告が事実上支配する「ミル財団」と「Kスポーツ財団」への資金拠出を財界に要求、計774億ウォン(約72億円)を集めるなどした職権乱用罪や強要罪などで起訴された。企業側は応じなければ経営に不利益が出ることを恐れて資金を拠出したとされる。

 チョン被告は、公務上の秘密漏えい罪で起訴された。2013年の朴政権発足直後から今年にかけ、政府の幹部人事案や外交資料などの文書180件を崔被告に渡し、うち47件が機密資料だった。

 政権にとって大きな打撃となる異常事態の中で、野党は世論に押されて、朴氏への退陣圧力を強めている。最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表ら野党陣営の有力者らは20日、「弾劾訴追の事由になる」と確認し、弾劾に向け議論を進めるよう野党3党や国会に求めていくことで一致。また、検察の捜査とは別に12月初めには国会が設置を決めた「特別検察官」による独立捜査も始まる見通しだ。

 まさに四面楚歌(そか)の状態だが、朴氏は辞任に応じず、野党の弾劾手続きを受けて立つ姿勢。大統領府は「朴大統領は特別検察官の捜査に積極的に協力し、無罪を明らかにする」と表明した。

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