安倍首相と米国のドナルド・トランプ次期大統領との間で行われた会談、日本国内では大きく伝えられた。しかし、90分という会談時間の長さや、「信頼」、「友人」という漠然としたキーワードばかりが目立ち、具体的な話の内容については明らかにされなかった。中国からはトランプ氏への「朝貢」などといった揶揄(やゆ)の他、「必死さ」が伺える安倍氏に同情を示す声さえも飛び出した。

 中国メディア・環球網は18日、「初めて安倍氏が可哀想だと感じた。日本人にボコボコに罵倒されている」とする記事を掲載した。記事は、今回の安倍首相による「胸襟を開き、長く深い会談」が、かえって少なからぬ日本人を不愉快にさせていると紹介。具体的な問題に対する答えが得られず「信頼感」が増しただけの会談内容に加え、正式な大統領ではないトランプ氏に、しかも選挙終了後わずか1週間で、「大国のリーダー」たる安倍首相が「ご機嫌とり」のために訪米し、黄帝に謁見するがごとくトランプ氏と会談したことで「日本人に恥ずかしいと感じさせた」と伝えた。

 そして、日本のネット上では、一部のネットユーザーから安倍首相に対して猛烈な批判が展開されていると指摘。もともと米国に媚びへつらうような発言や外交戦略に対して蓄積していた不満が今回の件で噴出したものであると解説した。また、日本のネットユーザーたちは自国に不利な状況でも米国に従う、米国に忠誠を誓った飼い犬のような行為や政治かを示す「アメポチ」という言葉を発明し、今回の批判でも盛んにこの言葉が飛び出したことを紹介している。

 記事をみた中国のネットユーザーからも、「日本のために、安倍さんも必死だな」という同情じみたコメントが見られた。一方で、自分の夢の実現に向けてならメンツを捨ててまで相手にへりくだることも辞さない態度には「やはり警戒すべきだ」とするユーザーもいた。来年1月20日に「トランプ大統領」が誕生するまであと2カ月。実際に発足してみないと分からない「トランプ政権」の進路を巡り、関係各国による探り合いが続きそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)