先週金曜日にドナルド・トランプの副大統領となるマイク・ペンスがブロードウェーのミュージカルを観劇しました。いま大人気の『ハミルトン』です。

聴衆がマイク・ペンスの存在に気付くと、ざわめきが起こりました。野次も飛びましたが、拍手も起こりました。つまり決してネガティブ一辺倒のリアクションではなかったということです。

ミュージカルが終わり、俳優たちがカーテンコールに登場したとき、そのうちの一人が進み出て、「アメリカの多様な価値観を守って！」と副大統領にメッセージを送りました。これも……別に悪意に満ちたコメントではありませんでした。

マイク・ペンスは、別に侮辱された風でもなく、笑顔で劇場を後にしました。

ところが翌朝になってドナルド・トランプが「私の副大統領がハラスメントを受けた。ハミルトンの役者たちは失礼だ。謝れ！」とツイッターでクソリプを飛ばしました。

シェイクスピアの昔から、アーチストが為政者を風刺するのはフツーに行われていること。よほどの独裁者でない限り、青筋を立てるようなことはしません。

ツイッターでトランプが「謝れ！」とリプしたのを見て、（ちょっとまて、もう選挙は終わってるよね？　こいつ……ひょっとして、マジキチ？）と思った人も多かったです。

もともとトランプに関しては「あいつは、なにかがunhingedだ」ということを指摘する人が多かったです。Unhingedとは「アタマのネジが外れている」という意味です。

ひょっとして、とんでもないひとを大統領に選んでしまったのではないか、、、


おぞましい予感に「ぶるっ」と震え上がるアメリカ。