アラフォーの鬼編集者に囲まれつつも、毎日必死で記事を書いている新人のスズキとアオヤギ。元高校球児で“史上最強の応援団長”の呼び名を持つスズキと、家にいるのが何よりも好きな女オタクのアオヤギ。平成生まれの2人が「最近気になること」に突撃していきます。連載バックナンバーはこちら。
鈴木 先日、秋田県が自動運転のバスを公道を走らせる実験を行ったそうだね。最近は自動運転に関する話題が絶えないなあ。
青柳 自動運転車が街中を走る日は意外と近いのかもしれません。そうなったとき、タクシーやバス業界はもちろんですが、それ以外のさまざまな業界・職種にも影響が出そうですね。
鈴木 そういえば昨年、野村総合研究所が「AIで奪われる職業」について発表して話題になっていたよね。自動運転の普及はどんな業界、職種に影響を及ぼすのか、同研究所に行ってその分野に詳しい専門家に聞いてみるよ。
自動運転車の開発は米Googleを中心に欧米で先行していたが、近年は国内でも、日産自動車が運転の一部を自動化をする「レベル2」の自動運転車を販売したほか、秋田県が無人運転バスの走行実験を公道で実施するなど、自動運転の実用化に向けた動きが加速している。
国内外の自動車メーカーや同業界に参入するIT企業が目指すゴールは、緊急時のみ人間が対応する機械主体の自動運転車(レベル3)や、人間が一切関与しない無人車(レベル4)の実用化だ。
安倍首相は「2020年に東京で完全自動運転車(無人車)を走らせる」と宣言しているが、無人車の普及は社会に、経済にどのようなインパクトを与えるのだろうか。
野村総合研究所の「自動運転車の普及による影響」について詳しい専門家、晝間敏慎(とるまとしみつ)氏に話を聞いた。
――自動運転車が普及したとき、多くのドライバーが失業すると言われていますが、この他にどんな業界、職業に影響が出るのでしょうか。
晝間: 真っ先にタクシーなどのドライバーが失業すると言われていますが、それは大前提として、「レベル4」(無人車)のクルマが普及した場合の話です。それには、まだまだ時間がかかると私は思っています。
――しかし、安倍首相は「2020年までに東京で完全自動運転車(無人車)を走らせる」と宣言しましたね。
晝間: もちろん、東京五輪の会場敷地内や、選手村の中を無人車が走ることはあると思いますが、20年に無人車が一般道を大量に走り回っていることはないと思います。
技術的には問題ないのですが、「事故を起こしてしまったとき、誰が責任をとるのか」といった法律上の問題がありますよね。その課題をいつまでにクリアできるのかは誰にも分かりません。あくまで目標を設定しているだけです。
――では、ドライバーの仕事を奪われる日もまだまだ先?
晝間: 少なくとも20年頃にドライバーの仕事を奪われることは絶対にあり得ないでしょう。せめて無人車の普及率が全体の50%くらいまで行かないと。半分以上のクルマが無人車になるのは早くても2040〜2050年以降になるのではないでしょうか……。技術はクリアしていても、社会に受け入れられるまでに時間がかかりますからね。
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