連載
» 2016年11月21日 05時00分 UPDATE

Tech TIPS:トラブルシューティングや開発、管理に使えるGoogle Chromeの特別なURL表記の一覧

Google Chromeのアドレスバーにchrome://aboutのような特別な表記のURLを入力すると、Chromeの詳細な設定画面を表示させたり、トラブルシューティングに便利な機能を呼び出せたりする。そのURL表記の一覧を紹介する。

[打越浩幸,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象ソフトウェア:Google Chromeブラウザ


 Webブラウザの設定を変更したり、状態を確認したりしたい場合、通常ならメニューからオプション設定画面を呼び出したり、デバッグ機能を起動したりすることが多い。だがブラウザによっては、アドレスバーに特殊なURLを入力するだけで、有用な情報を表示したり、設定画面を起動したりできる。

 Google Chromeの場合は、アドレスバー(「オムニボックス」とも言う)に「chrome://〜」で始まる表記(以下Chrome URL)を入力すると、詳細なバージョンや内部状態を表示させたり、さまざまな機能を呼び出したりできる。例えば「chrome://help」と入力すると、Google Chromeの概要画面が表示される(これは設定メニューの[ヘルプ]−[Google Chromeについて]を実行した場合と同じ)。

 「chrome://〜」で始まる表記(URL)は、次のいずれかを入力すると一覧表示され、確認できる。

  • chrome://about
  • chrome://chrome-urls

 以前は「about://〜」という表記も使えたが、現在のGoogle Chromeでは、基本的にはこの「chrome://〜」を使うようになっている(「about://〜」のいくつかは廃止されている)。

 ちなみに、アドレスバーへ素早く移動するには[Ctrl]+[L]か[Alt]+[D]、[F6]のいずれかを押してもよい。これらに続けて「chrome://〜」と入力すると簡単である。

Chromeのトラブルシューティングやカスタマイズに使える特別なChrome URLの一覧 Chromeのトラブルシューティングやカスタマイズに使える特別なChrome URLの一覧
アドレスバーに「chrome://about」と入力すると、Chromeのトラブルシューティングやカスタマイズなどに使える特別なURL表記の一覧(Chrome URL)が表示される。覚えるのが面倒なら、「chrome://about」をブックマークしておくと簡単に呼び出せる。各行はリンクになっているので、そのままクリックすればすぐに機能を呼び出せる。
  (1)アドレスバーにChrome URL表記を入れて[Enter]を押す。するとメニューからは起動できないようなさまざまな機能を実行できる。
  (2)これがChrome URLの一覧。リンクになっているので、クリックするとすぐに実行できる。
  (3)For Debug」カテゴリの機能は、指定したエラーなどを引き起こすためのものなので、間違って実行しないように、ただの文字列になっている。必要ならばこの文字列をコピーしてアドレスバーに入れること。

 こうやって呼び出せる機能は、管理者やWebサイトの開発者にとっては有用なものが多くある。Chromeの内部状態やキャッシュなどの情報、使用しているプロトコルや通信内容、統計情報、レンダリングパフォーマンスログの表示、各種拡張機能やオプションフラグの設定など、多岐にわたっている。

 以下、それぞれの意味について簡単に説明しておく。

Chrome URL表記 機能
chrome://about ★特殊なURL一覧(Chrome URL)の表示。chrome://chrome-urlsよりも覚えやすい
chrome://accessibility ユーザー補助機能の有効/無効
chrome://appcache-internals アプリケーションキャッシュの表示
chrome://apps インストールされている拡張アプリの一覧。[アプリ]ボタンと同じ
chrome://blob-internals BLOB(Binary Large Object)という内部データの一覧
chrome://bookmarks ブックマークマネージャの起動
chrome://cache キャッシュされているデータやサイト、画像、スクリプトなどの表示
chrome://chrome Google Chromeの概要ページの表示
chrome://chrome-urls 特殊なURLの一覧(Chrome URL)の表示。chrome://aboutと同じ
chrome://components ★Chromeに読み込まれているコンポーネントの一覧表示と更新
chrome://conflicts Chrome に読み込まれているモジュールの一覧と衝突情報の表示
chrome://crashes Chromeの障害発生ログ
chrome://credits Chromeに組み込まれているモジュールのライセンス情報の表示
chrome://device-log デバイスに関するログの表示
chrome://devices Chromeから利用できるデバイス(プリンタなど)の一覧
chrome://discards 破棄されたタブの情報の表示
chrome://dns DNSのプリフェッチ情報の表示
chrome://downloads ダウンロード画面の表示
chrome://extensions ★拡張機能画面の表示
chrome://flags ★Chromeの「試験的な機能」の有効/無効などの設定。Chromeには、Webブラウザのパフォーマンスを向上させるために多くの先進的/実験的な機能が積極的に実装されており、それらの有効/無効を選択できる
chrome://flash ChromeのFlashプレーヤー情報の表示
chrome://gcm-internals Google Cloud Messaging情報の表示
chrome://gpu GPU(ハードウェアグラフィックス機能)関連情報の表示
chrome://help 「Google Chromeについて」画面の表示
chrome://histograms 各種統計情報のヒストグラム表示
chrome://history 履歴画面の表示
chrome://indexeddb-internals IndexedDB(ブラウザ内にWebから保存するDB)情報の表示
chrome://inspect ★Chrome DevTools(開発者向けの補助ツール)の起動
chrome://invalidations Invalidations(オブジェクトの無効化)に関するデバッグ情報の表示
chrome://local-state ローカルステート情報の表示
chrome://media-internals ビデオや音声などのマルチメディアデータに関する情報の表示
chrome://nacl ChromeのNaCl(ネイティブクライアント)情報の表示
chrome://net-internals ★通信データのキャプチャや解析するための機能。通信パケットをキャプチャしてプロトコルの詳細やタイミングなどを調べることができる
chrome://network-error/<番号> ネットワークエラー画面の表示用URL
chrome://network-errors ネットワークエラーメッセージの一覧の表示。リンクをクリックすると、上の「chrome://network-error/XXX」を使ってエラー画面を表示する
chrome://newtab 新しいタブページの表示
chrome://omnibox Omnibox(アドレスバーのテキスト入力ボックスのこと)の機能(自動補完やサジェスチョンなど)のテスト画面
chrome://password-manager-internals パスワードマネージャの表示
chrome://plugins ★プラグイン情報の表示
chrome://policy ブラウザーポリシーの表示
chrome://predictors 自動補完リストなどの表示
chrome://print 印刷プレビューページの表示
chrome://profiler システムのプロファイル情報の表示
chrome://quota-internals ディスクの使用量やクォータ設定などの表示
chrome://serviceworker-internals ServiceWorker情報の表示
chrome://settings 設定画面の表示。ツールバー右端のメニューから起動する[設定]メニューの画面と同じ
chrome://signin-internals サインイン情報の表示
chrome://suggestions サジェスチョン情報(新しいタブに表示される、よく使うサイトなどの情報)の表示
chrome://supervised-user-internals ユーザー情報の表示やフィルタリングの設定
chrome://sync-internals ユーザー設定の同期機能に関する情報の表示
chrome://system システム診断データの表示
chrome://terms Google Chrome利用規約の表示
chrome://thumbnails Webページのサムネイル情報の表示
chrome://tracing ★レイテンシーやレンダリングなどの情報の記録と表示
chrome://translate-internals リソースの翻訳などに関する情報の表示
chrome://usb-internals USBデバイスに関する情報の表示
chrome://user-actions ユーザーアクティビティ(タブの操作やページのロードなど)のモニタ
chrome://version Chromeのバージョン情報の表示。アドレスバーに単に「about:」とだけ入力すると、これが表示される
chrome://view-http-cache キャッシュされたWebページに関する情報の表示
chrome://webrtc-internals WebRTCに関する内部データの取得
chrome://webrtc-logs WebRTCログの表示
chrome://favicon/<URL> 指定したWebサイトのfavicon(URL欄に表示される小さいアイコン。お気に入りアイコン)を表示させる。例:
chrome://favicon/http://www.atmarkit.co.jp/
chrome://thumb/<URL> 指定したWebページのサムネイル表示(新規タブページに表示されているような縮小画像を表示する)。例:
chrome://thumb/http://www.atmarkit.co.jp/
view-source:<URL> Webページのソースコードを表示させる。例:
view-source:http://www.atmarkit.co.jp/
Google Chromeの特別なURL(Chrome URL)の一覧
機能を呼び出すためにはChrome URLをアドレスバーに直接入力する。これらはトラブルシューティングや開発などで便利に使えるだろう。
★印は覚えておくと便利だと思われる機能(今後、別TIPSで解説予定)。

 「For Debug」以下に表示されているURLはデバッグ用であり、指定された障害などを強制的に発生させるものである。そのまま実行するにはいくらかのリスクがある。そのため「chrome://about」のページではリンクになっておらず、マウスでクリックできないようになっている。実行したければ、文字列をコピーしてアドレスバーに入力する。

Chrome URL表記 機能
chrome://badcastcrash バッドキャストクラッシュの実行
chrome://crash クラッシュの実行
chrome://crashdump クラッシュとダンプの実行
chrome://kill 強制終了
chrome://hang ハング(無応答状態)の実行
chrome://shorthang ショートハングの実行
chrome://gpuclean GPUのクリアの実行
chrome://gpucrash GPUのクラッシュの実行
chrome://gpuhang GPUのハングの実行
chrome://memory-exhaust メモリ不足状態にする
chrome://ppapiflashcrash Pepper Flash(代替Flashプレーヤー)のクラッシュの実行
chrome://ppapiflashhang Pepper Flashのハングの実行
chrome://quit/ Chromeの終了
chrome://restart/ Chromeの再起動
デバッグ用に使うためのChrome URLの一覧

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