音声認識機能の実態調査…カーナビやスマホ、利用と満足度は進展
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この調査の目的は2013年~2016年式の自動車ユーザーを対象に、「カーナビの音声認識操作の利用実態や使い勝手の印象を把握すること」および、「関連するスマートフォンアプリの利用状況を把握する」ことにある。調査対象は、カーナビを搭載していると共にスマートフォン利用者であることを条件とした、年齢が20歳~69歳の1101件。
同調査ではまず、車載音声認識機能の利用と満足度は着実に進展しているという報告が行われた。その背景にあるのが、特にメーカーオプションのカーナビの普及率アップだ。調査ではその普及率は61%となり、2014年調査の48%と比べて大幅にアップしているのだという。メーカーオプションのカーナビでは音声認識機能を標準化している例が多く、これが利用頻度向上へとつながり、習熟度も高まったことがその要因と見る。
具体的なインダッシュ型カーナビの種類別シェアは、メーカーオプションが61%、ディーラーオプションが24%、市販ナビが15%となる。2014年調査ではメーカーオプションが48%、ディーラーオプションが23%、市販ナビが26%となっており、メーカーオプションナビの装着率が高まっているのが鮮明になった。ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパンの村上久幸氏は、「この流れは、我々のビジネスにおける市場が広がっていると考えている」と話す。
その結果は調査にも現れており、カーナビの音声認識機能の満足度は77%が満足(大変満足11%/まあ満足66%)と解答。2014年調査の63.1%よりポイントは上昇しているこがわかった。ただ、全調査対象者1101に対して有効解答数は217にとどまっており、音声認識機能を使っている人は2割弱にとどまっていることも報告された。
音声認識で利用したい操作の筆頭は、スマートフォンでのメールやLINEに関するものだった。村上氏によれば「ユーザーのニーズは多岐にわたっており、その対応方法は今後の検討課題でもある」としつつも、「ドイツ系のメーカーでは、我々の技術を採用をベースに運転中でもメールを作成できるサービスを導入済みで、日本市場でも一部導入され始めたところ。今後は日本メーカーでの採用を積極的に働きかけたい」と今後への抱負を述べた。