金メダリストリレートーク
2016年11月30日・中日劇場
歴代五輪金メダリストが集結
社会大人の趣味、回り出せ 「地球ゴマ」元職人、進化形完成1960〜70年代に子どもの間で大流行し、惜しまれながら昨年夏に生産終了した玩具「地球ゴマ」。製造を担った名古屋市千種区の元職人が関東の町工場と手を組み、美しさや精度を高めたこま「地球ジャイロ」を完成させた。地球ゴマにほれ込んだ元職人が「人々を魅了したこまを絶やすのは惜しい」と自費を投じた。12月に発売する。 円盤にキラキラと光を反射させながら延々と回る。ボールペンの先端や指先に乗せても倒れない。「技術を結集した自信作です」。元職人の鳥居賢司さん(54)が、指先で高速回転する地球ジャイロに見とれた。 昭和にヒットした地球ゴマは千種区の「タイガー商会」が開発し、最盛期には年間20万〜30万個生産した。物体が高速で回るほど軸が安定する「ジャイロ効果」を生かした玩具だ。 新たな地球ジャイロもこの効果を利用し、円形の枠の中でこまが回る。これまでと同じく不安定な場所でも「倒れそうで倒れない」回転が楽しめるのに加え、金属製の円盤や枠を磨き上げて美しさも追求した。 会社員だった鳥居さんは地球ゴマに魅せられ、2006年にタイガー商会に入社、製造に携わった。職人の後継者不足で生産終了したが、思いを捨てきれず昨年10月に新会社を設立。関東の金属加工会社と提携し、1000分の5ミリ単位の高度な切削技術で作り上げた。 先輩職人も完成を喜ぶ。タイガー商会で50年以上製造に携わった元工場長の巣山重雄さん(86)は「回転も滑らか。地球ゴマを超えてくれた」と感激する。 一個1万8500円(税別)と高価だが、鳥居さんは「子どものころ夢中だった人に、今度は大人の趣味として楽しんでほしい」と願う。鳥居さんの会社「タイガージャイロスコープ」のウェブサイトで12月から予約を受け付ける。問い合わせは同社=電052(751)1016=へ。 <ジャイロ効果のこま> 高速回転の物体が軸の向きを保つジャイロ効果を利用したこまは、100年以上前から米国や英国などで玩具として作られた。日本でヒットした「地球ゴマ」はタイガー商会が1921(大正10)年に発売。生産終了後に再び人気に火が付き、かつて1個1600円前後だったのがインターネットで2万〜3万円の高値で売買されている。 (中日新聞)
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