ビル・クリントン政権で財務長官を務めたローレンス・サマーズ ハーバード大学教授が、トランプ次期大統領の唱えるインフラ投資の問題点を指摘した。
トランプ氏の唱える財政政策は一部の企業を優遇するだけで、経済刺激にはならないと批判した。
サマーズ氏はCNBCで、トランプ氏の財政出動案に大きな誤りがあると語った。
「(トランプ陣営の案では)最も重要なインフラである道路や学校の修復を除外している。
財源がつくのが、極めて商業的で収益を上げるものばかりになっているからだ。」
インフラ投資への税優遇についても、主たる投資家である年金基金はそもそも非課税であるため効果はないと断じた。
そもそもインフラ投資はトランプ氏の政策の小さな部分にすぎないとし、莫大な恒久減税案については減税対象がよく吟味されていないという。
こうした減税のエスカレートは貯蓄を促し、支出を控えさせてしまうとし、逆効果だと指摘した。
また、保護主義的政策についても経済に有害と批判、トランプ氏の政策にダメ出しした。
「すべてを考え合わせると、規制緩和の恩恵を受ける少数の企業を除けば、とても望ましい政策とは思えない。」
サマーズ氏は近年、趨勢的停滞からの脱出策として熱心に財政政策の必要性を論じてきた。
そのサマーズ氏が、トランプ氏の財政出動策には否定的な立場を取っている。
同氏は、財政政策を適切に設計すれば経済を刺激できるのにと悔しさをにじませた。
政権はまだ始まっていないため不確実であると認めながら、すでに事実になっていることがあるという。
全米で急増するヘイト・クライムだ。
サマーズ氏は、こうした風潮は社会や経済にとってよくないと語った。