フィンテックによって多くの個人に投資チャンスが広がる。だが収益は?(写真はイメージ)
これまでキーワードばかりが先行していたフィンテック(金融と情報技術の融合)の世界に具体的な動きが見え始めた。
フィンテックが本格的に普及することになれば、金融の世界は大きく変わることになるだろう。
多くの個人に投資チャンスが広がる一方、投資によって得られる収益は減少する可能性が高い。フィンテックはお金の世界を民主化するともいわれるが、皮肉なことに、広く開放された社会において、投資家は相対的に不利な立場となるかもしれない。
ITを活用すると融資のルールも変わる
ひとくちにフィンテックといっても様々な分野があり、関連するビジネスは多岐にわたっている。その中でも、金融の世界に極めて大きな変革をもたらす可能性があるのは、やはり投融資と仮想通貨の分野だろう。
みずほ銀行とソフトバンクは今年9月、フィンテックを活用した新しい融資サービスの提供を目的に合弁会社を設立すると発表した。従来の融資とは異なり、ITを活用したスコアリングモデルを活用することで、スマホだけで融資の申し込みから実行までを完結させる。両社は2017年前半の事業開始を目指すとしている。
この合弁会社はみずほ銀行が参加しているので企業の運営形態としては従来の金融機関の延長線上に存在する。だがITを活用した融資モデルを本格的に導入するという点において、従来の金融機関とはスタンスが異なっている。