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国宝の千手観音菩薩立像など5体に液体の跡

被害にあった興福寺東金堂の持国天立像=1999年撮影

 奈良市の興福寺で20日、国宝の千手観音菩薩立像や、四天王立像のうちの持国天像の台座など少なくとも5体の仏像などに透明の液体がかけられた跡が見つかった。奈良県警奈良署は文化財保護法違反容疑などで捜査している。

 同署によると、被害が確認されたのは、一般に公開されている国宝館と、国宝の東金堂の2棟にある仏像などで、床などにも液体の跡が付いていた。同日午後1時ごろ、来場者から「液体のようなものがかかっている」と同寺に連絡があった。

 2棟は午前9時から入場でき、開館前に職員が確認したが、被害はなかったという。同署は防犯カメラの映像などを調べている。同寺は21日、国宝館を閉館し、文化庁が調査に入る見込み。

 奈良県内では、昨年も東大寺や春日大社など多くの寺社で油のような液体がまかれる被害が発生していた。【芝村侑美】

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