こんばんは! Machinakaです!
今回批評する映画はこちら!
「この世界の片隅に」
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私は年間通して100本以上新作映画を見にいくのですが、、、
この映画は今年ベストに決定です!!!
今までは、タイ映画の「すれ違いのダイアリーズ」にしてたんですけどね。
多分、これ以上揺るがないと思います。間違いない。
私が絶賛するよりも遥か前から、注目度は高い作品だったんですけども、、、
私は今日見てきて、惚れてしまいましたよw
東京国際映画祭で見たかったなぁーーー。。。
何故こんなに私が心惹かれたかというと、自分にとって大切なことを思い出させてくれたからです。
そして、私の心の奥まで響いた映画だったからです。
ま、詳しい感想は後で述べるとして、、、
まずはあらすじから行ってみましょー!!
1.あらすじ
第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックを、「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直監督がアニメ映画化。第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。
2.監督・キャスト
監督は片渕須直さん。初めて知りました。
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が、この方はジブリの脚本家チームとしてアニメ映画に参加しており、「魔女の宅急便」手がけた人なんだそう。
魔女の宅急便は、私がいちばん好きなジブリ映画ですからね! なんか、相性いいかもww
そして、女優の「のん」さん!
http://line.blogimg.jp/non_official/design/pc_design/profile_photo.jpg?v=0818
のん、よりも能年玲奈と呼んだ方がいいかな?
ニュースでも大きく報道されましたが、所属していた事務所に無断で全く新しい個人事務所を立ち上げて独立。そのため所属事務所が激怒して能年玲奈名義では一切活動できなくなってしまったんです。
こちらに素晴らしい記事が載っているので、興味ある方は是非。
この方の説明は、、、もういいよね笑
皆さんご存知、2013年の連続テレビ小説「あまちゃん」にて大ヒットを記録 しました。
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小泉今日子さんなどの豪華キャスト、宮藤官九郎脚本という力もありましたが、ヒットした一番の理由はこの能年玲奈ちゃんが主演をしたってことですよね。
紅白でも「あまちゃん」スペシャルをやって、、、朝ドラで、しかも現代劇で、あそこまで面白いドラマって中々ないんじゃないかなぁ、、、。
そして、主人公すずの旦那・周作を演じるのは細谷佳正さん!
よいしょ~!! いわゆるイケメン声優の方!
「ちはやふる」で綿谷新の声を当てたり、「黒子のバスケ」「ハイキュー!!」「Free!」でもメインキャスト級の声を、、、、
声優界では超有名です!! また、この方は広島県尾道市出身の方です。
そして、主人公すずの幼馴染で海兵になった水原を演じるのは、、、
なんと小野大輔っ!!
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D・G・S!!
D・G・S!!
D・G・S!!
はい、私は元D・G・Sのヘビーリスナーで、D・B(ディアボーイ)でしたw
これ分かる人いるかな?
文化放送のラジオが元ネタね笑
はい、というわけで、主人公すずは幼馴染のイケメン役として小野大輔、お見合いで結婚した相手役として細谷佳正という、、「和製ブリジットジョーンズの日記」のような、羨ましい状況に置かれているわけです!!!
しかも、オープニングで声優が紹介される作りになっているので、声優を見た私はビビリましたよw どんだけ豪華な男性キャストなんだってww
その他のキャストも大変豪華ですが、気がついたのは「広島県出身」が多い、ということ。
広島弁を喋らなければいけないのもあるでしょうが、何故ここまで広島県が多いのかな?
3.上映館@テアトル新宿
豊州でも見れたんですけど、色々あってテアトル新宿で観てきましたー。テアトルで見るのは「ディストラクションベイビーズ」以来かなぁ、、、
ちなみに、映画館情報はこちらで確認できますっ!
はい、大きくポスターが張り出されてました!
テアトル新宿がこんなに混んでるだなんて、、、言っちゃあ悪いけど初めてだよw
分かりづらいんですけど、これインターネット予約で発券する行列です。僕もネット予約したので、この行列に並びましたよー。ってか、ネット予約しないと立ち見席しか取れないんで、絶対にネット予約しないと座れませんw それくらい人気だよ!
発券を終えて出口見てみると、こんなに行列が増えてた、、、
ポスターの写真撮ってると、まだまだ増えるよ行列、、、
インターネットで予約した人は、最低でも30分前には着いてないと時間取られます。なお、番号入力するよりQRコードの方が一瞬で発券できますから、出来ればそっちを使えば、皆早く発券出来ると思いますっ!!
こちらがポスターになります! すずちゃんが可愛い!! そして軍艦、、これは「大和」かな? がリアルだ!! 間接的に「艦これ」だよねww
こちらが日曜日の座席状況 メチャクチャ混んでますw
で、ここからがテアトル新宿の凄いところなんですけど、のんさんのサイン入りの脚本が飾ってありました!
また原画・イメージボードもあるし、、、 下の本や小物のコーナーは、多分映画見ないと分からないでしょうな、、、
のんさんに中国のファンがいたとは、、、
日本の戦時下の話なのに、中国の人が応援して下さるのは凄い嬉しかった。。。
こちらが上映終了後のロビー。人多すぎて歩けなかったんで、待機ですw
次回の上映を待つ人と上映終了して帰る人が鉢合わせちゃって、地獄のようでした笑
おかげでパンフ買うまで10分以上待ったよwww
はい、というわけで概要はここまでっ!
前評判は非常に高い! 私が尊敬する映画評論家の町山智浩さんも、今年ベストと仰ってました。
【必見】町山智浩 映画「この世界の片隅に」 ネタバレ無しでご紹介
だから観に行った、というのもあるんですけどね笑
だって、市販されているDVDを全部見たっていう人、います? 町山さんがその人なんですよww
そんな人の年間ベスト、気になりませんか?
というわけで、かなり期待値が上がった状態で鑑賞してまいりましたっ!!
それでは映画の感想です!!!
4.映画の感想
劇場で皆が笑い、そして泣き、、
後半ではすすり泣く人多数、、、
そんな中、私は肩を震わせて泣いていた、、、、
上映が終了すると、自然と拍手が流れていた。もちろん私も頑張って拍手した。傑作だという証拠だ。
そして、帰る時には皆泣きながら無言で会場を後にしていた。もちろん私も、半べそを書きながら泣いていた。
おかしい。普通の良作映画なら、語りたくてしょうがないから喋りながら映画館を後にするのに、みんな泣いてるから喋れない。
そして、80は超えていそうな老人が椅子から立ち上がり通路に出るところを、僕の前にいた人達が黙って待っていた。普通なら半身になって無理に通るところなのに。。
「この人はあの時代を生きてきた人なのかな?」と考えると、敬意を払わずにはいられないのだ。
エンターテイメント作品としても非常に出来の良い作品。が、この映画はそれだけじゃない。
戦時下における実にリアルな生活を描きながらも、「少女の成長」というあまりにも普遍的なメッセージを兼ね備えた大傑作だと思う。
・戦争は地獄
・食べ物がないのは辛い、食べ物は大事にしなければいけない
・大切な人が死ぬのは本当に悲しい
こんなこと、誰もが分かっている。しかし、この映画で改めて戦争の辛さ、人が死ぬことの悲しさを伝えてくるのだ。
この話だけ聞くと、あたかもこの映画が大変悲しい、まるで「火垂るの墓」のような映画だと思うかもしれない。
しかし、本作は「火垂るの墓」とは正反対の映画であると、言っておきたい。
端的に言えば、「この世界の片隅に」は基本的に明るくて、とっても笑える映画なのだ。舞台は広島の呉(海軍の町)なので空襲が多く、食料も少ない。そんな大変な状況を描いているのだが、笑えるのだ。
もちろん、戦時下の生活が楽しいわけがない。しかし、この映画ではキャラクター達がよく笑う。よくボケるしよくツッコむ。
普通の映画やドラマだと、絶対にあってはならない描写なのかもしれない。不謹慎だと言われそうだ。
しかし、本作では当時の戦時下の会話を、当時広島に住んでいた人に聞いて調べ上げ、反映させている(後で詳しく説明)
つまり、本作で交わされた明るい会話こそが、戦時下のリアルな会話であり、当たり前の日常であるのだ。
だから、「火垂るの墓」のあの切ないシーンは、本作と比べるとかなり脚色されているのだ。
映画はフィクションである。当たり前のことだ。
我々が「感動した!」「泣ける!」と騒いでいる映画は、実話ベースであれ、ドキュメンタリーであれ、撮影・編集というプロセスを通過する以上は全てフィクションである。
製作者もフィクションであることを念頭に置いている。これは映画だから、と割り切っている。だから、イケメン&美女が主演を張って、感情的にセリフを吐いて、感動げなBGMを入れて、映画のために現実に演出を加えている。
映画を作ることは、むしろ「リアルな日常」からいかに離れるか、が監督の腕の見せ所なのかもしれない。
しかし、極限にまで「リアルな日常」にこだわった映画があるとすれば、皆はどう感じるだろうか?
そして、それが70年以上も前の人々のリアルな日常を完璧に表現しているもの、だとしたら?
この映画を見て主人公のすずを見て泣いてしまった人は、映画用に作られたフィクションとしてのキャラクターに感銘を受けたのではない。当時本当にいたであろう「戦時下で生き抜く女性」に感銘を受けたのである。
映画はフィクションで、人が死ぬ度にいちいち泣く人などいない。何故なら全てが作り物だからだ。100歩譲っても「他人事」として片付けられる。でも、この映画で人が死ぬと本当に辛い気持ちになるし悲しい。何故か? もはやこの映画がフィクションだと感じていないからだ。
この映画の評価すべきポイントを簡単にまとめると、、、、
映画におけるフィクションの要素を徹底的に省き、今では見れない「リアルな戦時下の生活」を、実写ではなく「アニメーション」としてゼロから再現した点にある
そして、あまりにもリアルな日常を描いたため、映画をフィクションとして感じなくなり、観客の心の奥に主人公の行く末が突き刺さる。否応なく自分の戦争に関する記憶が蘇ってくる。そして、「生きてるだけで幸せなんだ」と再確認できる映画だった。
5.のんちゃんと主人公が完全にシンクロ
本作は戦時下におけるリアルな日常を描く、という点以外に、もう一つ重要なコンセプトがある。それは、「少女の成長を描く」という点だ。
ネタバレは避けるが、主人公のすずはある事件をきっかけに人生の転機が訪れる。すずは、自戒の念と共に己の存在意義を問う。
この戦時下の状況で、自分は何者になるのか、何が出来るのか? と悩み苦しむ。
今まで明るかった女の子にある事件が起こり、それと対峙しなければいけないのだ。
主人公を演じた能年玲奈、改名後「のん」は、主人公すずの人生と重ねることが出来る。
2013年「あまちゃん」で大ブレイクした「能年玲奈」の印象は、常に明るく楽しげな表情が似合っていた。
しかし、事務所からの独立後、業界から干された。「洗脳されている」とまでスポーツ紙に書かれて。この時には、タレントととしての能年玲奈は死んでいた。
そして2016年、本作に出演が決まり、彼女の決意表明というか、見事な復活振りを目の当たりにした。間違いなく現在の「のん」は「能年玲奈」の時と比べて成長したのだ。
まさに劇中で主人公すずが「絵が上手い明るい女の子」から、「強く生き抜く立派な女性」へと変化するように。
5.年間ベストにした個人的な理由
この映画を年間ベストにした、超個人的な理由がある。
それは、おばあちゃんとの思い出。
この映画を観て、真っ先に思い出したのはおばあちゃんと過ごした生活の記憶でした。
理屈では説明出来ないんですが、何故かおばあちゃんの顔が頭から離れず、、笑
私が幼稚園~小学生の頃、隣町に住んでいたおばあちゃんによく世話になってました。親は共働きで、休日に仕事をしていたから、土日はおばあちゃんと過ごすことが多かったんですね。
おばあちゃんは私にご飯を作ってくれたり、一緒に寝てくれたり、、、本当に色々お世話になったんです。しかし、おばあちゃんと過ごしていて不思議なことが一つあったんです。
それは、夜寝る前にしてくれた自分の戦争体験の話を、すごく楽しそうに話していたんです。
防空壕に逃げる時や、爆弾が落ちてくる音、臭い。米がとにかくなかったなど、、字面にすると凄く大変そうなのに、私にはすっごく楽しそうに話してたんです。
どう客観的に見ても辛い話なのに、なぜあそこまで楽しそうに喋れたのか? 今まで理解できませんでした。しかし、本作を見てその理由が分かったような気がして、、、、
うちのおばあちゃんは、空襲があった時はまだ子どもだったと思うんですよね。映画だと春美ちゃん(4-5歳くらいかな?)ぐらいの年齢だと思います。
http://konosekai.jp/wp-content/themes/konosekai/images/top/img-chara-03.jpg
その時は、戦争がどれだけ恐ろしいものか、空襲とは何かよく理解出来なかった。また、どれだけ辛いことがあっても、明日を確実に生きるために明るく生きようとしたのではないか、と。
この映画を見て、まさかおばあちゃんを思い出すとは思わなかった。そして、おばあちゃんが何故明るく戦争の話をしていたのか、謎が解けたような気がします。
ちなみに、私が一番泣いてしまったシーンはこちら。
映画を観ないと意味が全く分からないかもしれない。が、見れば見るほど悲しくなってしまう。
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はい、以上です!! 公開館が少ないですが、これから増えてくれれば、、、