12月下旬発売予定・26万円ペア

ハーマン、JBLの創立70周年記念モデル「4312SE」。ウーファーやネットワークを改良

編集部:小澤貴信
2016年11月11日
本日より開催されている大阪ハイエンドオーディオショウにて、ハーマンインターナショナルは、JBLの創立70周年記念モデル「4312SE」を参考出展した。価格は26万円/ペア(税抜・予価)。発売は12月下旬を予定しているとのこと。

4312SE

4312SE

JBLのロングセラーモデル「4312E」をベースに、ウーファーユニットのグレードアップを実施。ネットワーク回路もブラッシュアップした。ミッドレンジとトゥイーターのユニットは4312Eを踏襲している。

ハーマンインターナショナルのブース

低域ユニットには、上位モデル「4429」で採用された300mmウーファーを、4312シリーズ伝統のホワイトコーン仕様とした専用品「1200FE-8W」を搭載。NOMEXデュアルダンパーとアクアプラス処理されたケブラー・コンポジットパルプコーンによるストレートコーンを採用し、それを大口径フェライトマグネットと大容量コッパースリーブを備えた新SFG磁気回路によって強力にドライブ。大口径ウーファーならではの低域に力強いエネルギー感と解像度の高さを両立させたという。

4312SEに搭載されたウーファー

ミッドレンジには、125mmのパルプコーン・ミッドレンジ「105H-1」を搭載。コーン紙裏面外周部にダンピングを施すことで歪みを抑えた軽量パルプコーンを採用している。さらに軽量なアコーディオン・クロスエッジを採用し、明るく明瞭なJBLのモニターサウンドを継承したとしている。磁気回路には、耐熱性に優れたKaptonボイスコイルボビンによる25mm径コッパーボイスコイルと大型フェライトマグネットを採用。優れたダイナミックレンジを獲得した。

トゥイーターは、アルミ・マグネシウム合金ダイアフラムを採用した25mm径ドームトゥイーター「054AI-Mg」を搭載。シルク素材を用いた軽量なハーフロール・クロスエッジでダイアフラムを支えることで、スムーズで伸びやかな高音域と、つややかな超高音域再生を実現したとのこと。ボイスコイルには、CCAW(コッパークラッド・アルミワイヤー)ボイスコイル採用。振動系を軽量化して、さらに高域特性を改善している。

新ウーファーに合わせてネットワーク回路も新設計。4312シリーズの原点である「4310」や「4311」などのモニタースピーカーの特色に近づけるべく、伝統となっていたウーファーのフルレンジ接続をあえて止めて、ウーファーにローパスフィルターを追加。ピュアな3ウェイ構成としてネットワークを一新した。

ネットワーク回路も新設計のものを搭載した

また、ミッドレンジとのクロスオーバー周波数を人間の聴感の敏感なエリアより低い周波数帯域にすることで、位相の変化による違和感を低減しているという。

周波数特性は4312Eが40Hz〜40kHz(-6dB)だったのに対して、本機は44Hz〜40kHz(-6dB)に向上。出力音圧レベルは4312Eが93dBなのに対して、本機は90dBとなった。クロスオーバーも変更され、4312Eが2kHz/5kHzだったのに対して、本機は640Hz/5kHzとした。インピーダンスは変わらず6Ωとなる。外形寸法は362W×597H×298Dmm、質量は25.2kg。

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