「7月はタチウオの禁漁期で、8-9月は台風のせいであまり操業できなかった。これからが本格的な漁の季節なのに」
済州島の漁民たちがタチウオ漁獲量の激減に頭を痛めている。本格的なタチウオ漁の時期に入ったにもかかわらず、今年6月の韓日漁業協定の交渉決裂により、日本の排他的経済水域(EEZ)で5か月以上操業ができない状態だからだ。韓日両国は毎年、漁業交渉を通じて相手国の水域での操業について協議しているが、今年は6月に交渉が決裂し、7月から相手国の水域での操業ができなくなっている。特に、タチウオ漁は交渉決裂の「直撃弾」を受けた格好だ。タチウオは夏が終わると済州の海域から日本側に徐々に移動するからだ。
昨年、韓国のタチウオの漁獲量は4万1049トンだった。済州の漁民による漁獲量はこのうち3分の1程度だ。しかし金額ベースでは済州のタチウオは国産タチウオ全体の78%を占める。ある漁民は「絶対量は少ないが、済州のタチウオは主に(網漁ではなく)釣り漁によるもので、傷が少なく商品価値が高い。特に、日本側海域で獲れるタチウオはサイズが大きく、高く売れる」と話した。日本のEEZで獲れるタチウオは韓国のタチウオ漁獲量の7-8%程度だとされる。
韓国のタチウオ漁獲量は7月以降、急減している。7月は1985トンで昨年より12%減少した。8月は3235トンで前年比63%減、9月は4008トンで同43%減だった。
供給量が減ったことで、タチウオの価格も7月から高騰している。韓国農水産食品流通公社(aT)によると、11月中旬のタチウオの卸売り価格は今年上半期より20%ほど高く、小売価格は昨年より29%ほど高いという。海洋水産部(省に相当)の関係者は「乱獲の影響で韓国の海域でタチウオが減少した上、日本側海域で漁ができなくなった影響が大きい。タチウオ漁ができるよう日本側と交渉を続けている」と話した。